短期プログラムのすすめ (高井哲彦 Vol.5)

留学マニュアル

■短期プログラムと観光旅行の違い
短期プログラムは、特定の街で拠点と仲間を作り、共同生活・共同作業する当事者体験が、お客さんとして通り過ぎるだけの観光旅行との違いです。ここでは仮に、スタディ・ツアー、インターンシップ・ボランティア、語学研修、サマー・スクール等に大別します。
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■初心者でも専門家に引き上げてもらえるスタディ・ツアー
スタディ・ツアーでは、旅行代金を払って学習体験をします。北大国際本部主催のファースト・ステップ・プログラムやショート・プログラム、大学生協主催の「テーマのある旅」、NGO 主催のピースボート、内閣府主催の青少年国際交流事業等が代表的です。専門家が企画するため、高費用・高品質です。大学・政府主催なら低費用で、初心者には安心です。
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■主体的に行動するインターンシップ・ボランティアインターンシップでは、労働力を提供して学習体験をします。企業・行政機関・大学研究室では有給・無給・現物支給の場合があります。NGO では、社会奉仕の意味ではボランティアですが、学習の意味でインターンシップと呼ぶこともあります。収入より学習を重視する点で、ワーキング・ホリデーなどのアルバイトより勧められます。公的機関では CIEE のボランティア、学生団体では AIESEC/IAESTE のインターンシップ、NGO では NICE のワークキャンプ等が代表的です。留学中に現地日系企業に「無給で何でもするから経験が欲しい」とお願いして、インターンシップをアレンジしてもらった先輩も多数います。海外旅行より低費用ですが、当たり外れがあり、本人の主体性も試されます。
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■本気で語学研修すれば大学院にも英語なら最低3ヶ月、非英語でも6ヶ月、日本語を断ち本気で集中すれば、大学院入学水準に飛躍的に成長した前例を、多々見てきました。他方、夏季休暇等、3ヶ月未満の語学研修では、費用に見合った語学力を得た人をほとんど見たことがありません。しかし、交換留学・大学院留学の希望者で、費用と時間の余裕があるならば、心構えの予行体験には理想的です。また、中南米・インド・アフリカを縦断旅行する人なら、冒頭で西語・ヒンディ語・スワヒリ語等を特訓すると旅の充実が変わります。他方、英語研修1年は長すぎると思います。英豪大学のFoundation Courseの方が良いでしょう。
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■真剣勝負のサマー・スクールや国際会議
英語上級者ならば、海外大学が開催する集中講義や国際会議は、仲間作りや視野の拡大、力試しに最適です。有名大学のサマー・スクール等は、費用も高価ですが定評があります。
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■短期プログラムで自分を知る
短期プログラムでは、交換留学や大学院留学、国際キャリアを検討する前に、自分の海外適性を低リスクで確認できます。実際に行ってみて期待と違った場合は、方向転換すれば良いのです。
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海外との距離の取り方は人それぞれです。『舞姫』と深い仲になった森鴎外と英国人コンプレックスの夏目漱石を、海外留学の優劣で論じる人はいません。そもそも鴎外・漱石の時代のように、海外に過大な夢を抱くことも、強迫観念を持つことも不要になりました。
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