現金・カード (編集部 Vol.5)

留学マニュアル

■お金はリスク分散を
 学生にはVISAデビットカード、Masterクレジットカード、予備カードの3枚組と現金を分散して持つことを勧めます。
①メインの財布に VISA デビットカードと現地通貨 5 千円以下を。服のボタン・ファスナー付ポケットに。旅行ならば到着空港の ATM からカードで2泊分の現地通貨を。
②サブの財布に Master クレジットカードと現地通貨 1-2 万円相当を。旅行ならば手鞄の奥に帰国直前まで温存。留学ならばパスポートと一緒に自宅の鍵付引き出しに。
③セキュリティポーチに予備カードと米ドル100-200ドルを。移動中は肌身離さず、連泊時は大型鞄の奥底に入れ、留学ならば鞄ごと自宅の鍵付クローゼットに。使わなければそのまま日本の持ち帰り、次の海外渡航時に持っていく。

カード3枚組の例
・学生なら、メインに

三菱東京UFJ銀行VISAデビットカード(自宅や実家近くに支店のある大手)、サブにMileagePlusセゾンMasterカード(海外旅行保険が自動付帯)、予備にイオン銀行VISAデビットカードまたは新生銀行の国際キャッシュカード(ネット銀行)の3枚組。
・1年以上の長期滞在なら、メインに現地銀行VISAデビットカード、サブにMileagePlusセゾンMasterカード、予備に三菱東京UFJ VISAデビットカード。
・社会人なら、メインに三井住友VISA Classic A VISAカード(キャッシング枠20万円以上)、サブにMileagePlusセゾンMasterカード、予備に三菱東京UFJ VISAデビットカードとMasterカード(日常遣いの交通系か法人カード)。

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■大金を持ち歩かない
 海外在住者は 5 千円以上の現金を持ち歩きません。高額紙幣は、街の商店や食堂では敬遠され、滅多に目にしません。先進国では、数百円の買物でもカードを多用します。旅先でのトラブル時も、2泊分を生き抜ける程度の現地通貨(途上国1万円、先進国2万円)があれば十分でしょう。ATMが故障中の田舎や連休中でも、3日目にはどうにかなります。インドの田舎にもATMはあります。ウェスタンユニオンで日本から海外送金すれば、アフリカの地方都市でも時差なく海外送金を受け取れます。
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■貴重品の紛失・盗難に備える
 貴重品を失ったときの対策を予め考えましょう。全財産を財布ひとつに集中させてはいけません。カード番号と緊急電話番号は必ず控えておきましょう。カードやパスポート、身分証明書、旅行保険証書は、紙と PDF でコピーを取っておきましょう。旅行保険やカードの緊急電話番号は必ず、携帯電話や WEB 住所録、メモ帳等に重ねて登録しておきましょう。
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■VISA デビットカードをメインカードに
 学生ならば、VISAデビットカードをメインカードに勧めます。買物ではVISAカードとして、支払いと同時に銀行口座から即時決済され、海外 ATM ではキャッシュカードとして現地通貨を引きだせます。ただし、銀行口座残額の定期確認が欠かせません。
 銀行口座残高を上限に月額限度額がなく、利子がかからないのが長所です。航空券等、高額な買物にも使えます。クレジットカードのような不正取引・海外旅行等の保険がないのが短所です。紛失時の再発行は、日本住所にしか発送されないため、実家等の仲介が必要です。

三菱東京UFJ銀行、りそな銀行、あおぞら銀行、スルガ銀行(ANA支店)、イオン銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行、埼玉りそな銀行、近畿大阪銀行等のうち、自宅・実家の近所に支店があり、日本でも使いやすい銀行を選びましょう(楽天銀行を推奨していましたが、応答に不満も聞きました)。

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■Master クレジットカードを買物のサブに
 海外でクレジットカードは必須です。月ごとに銀行口座から後払いで引き落とされます。無料カードでなく海外旅行保険(医療保険・救援者保険)が自動付帯するものを勧めます。学生の場合、月10万円等の使用限度額があるため航空券購入等にはデビットカードの併用が必要ですが、社会人ならばクレジットカードのみでも良いでしょう。
 VISAとMasterの両方を持ちましょう。たとえばVISAデビットカードを持つなら、クレジットカードはMasterが良いでしょう。先進国では両方使えますが、機械の磁気読み取り性能が悪く、複数のカードを代わる代わる試す場面が多々あります。
 クレジットカードは、トラブル時の保険が長所です。スイスでカードを紛失した際、翌日にはホテルに代替カードを届けてくれました。また、南アフリカの商店で番号をスキミングされ不正使用されたときは、保険で払い戻されました。

推奨はMileagePlusセゾンカード。年会費1500円で90日以内の海外旅行時に300万円の治療費用補償・救援者補償が自動付帯(JAL naviの3-6倍)。学生なら次善はJAL naviカード。年会費無料で最低限の海外旅行保険が自動付帯(卒業後は有料化した上に大半の補償がゼロに)。他方、大学生協TUO、学士会Citi、MUFG、楽天、NICOS、AMEX、SBI、Yahoo等は海外旅行保険が自動付帯しないので、海外渡航が多い人には勧めません(最新情報を確認して下さい)。

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■紛失・盗難・事故に備え3枚目の予備カードを
 週末・夜間・旅行中などに無人ATMを使うときは、メインカードを使わず、サブカードを使うことを勧めます。機械の故障でカードが ATM に飲み込まれてしまうトラブルが少なくないからです。即座に電話報告してカードを止めても、再発行には日本を経由する必要があり時間がかかります。長短所が異なるものが良いですが、選択肢が4つあります。
①VISAデビットカードを、長短所の異なる別銀行でもう1枚。
新生銀行の国際キャッシュカード(またはシティバンク銀行等)。国内外のATMから現地通貨を引き出せます(VISAデビットカードが登場するまでは推奨していました)。
③海外銀行の VISA デビットカード(後述)。
④ご両親名義のクレジットカードの家族カード(「緊急時のみ」等の使用ルールの誓約とご家族の厳格な支払額管理が条件)。
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■海外現地で銀行口座とデビットカードを作る
 1年以上の長期滞在なら、海外で銀行口座を開くのも選択肢です。現地で奨学金・収入が振り込まれたり、現地での銀行口座引き落しが必要だったりする人は必要です。大学内で口座開設支援をしてくれたり、住居契約や公的証明に使ったりすることもあります
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■緊急に現金が必要になった!
ウェスタンユニオンでは、身分証明書を登録すれば、途上国でも即日現金を送受できます。カードも口座も不要です。世界 200 ヶ国に 27 万の取扱店があり、目下拡大中です(札幌なら大黒屋ブランド館札幌店やアスティ45内のトラベレックス国際送金プラザ札幌店等)。ケニアからコンゴに送金したときは 30 分以内に届きました。ファミリーマート(Famiポート)やセブンイレブン(セブン銀行口座の事前開設が条件)からも海外送金できます。
◇トラベラーズチェックは、もはや勧めません。先進国でも日本でも、買物でも両替でも取扱いが激減しています。