ルクセンブルク大学 交換留学 (篠田 新着2019)

ヨーロッパ

留学体験記
経済学部経営学科4年 篠田まどか

留学先

ルクセンブルク大学

期間

2019年2月~7月

二段階留学

第1段階 ルクセンブルク大学

第2段階 シンガポール経営大学

費用

往復航空券:18万円
留学保険料:6万円
ビザ代:4万円

家賃:6万5千円/月
食費:3万円/月
娯楽費:1万円/月

合計:805,000円(1学期)
(奨学金 400,000円)

志望理由

1. ルクセンブルクはEUの金融センターであり、EU圏の経済を学ぶにはもってこいの場所だったから。
2. ヨーロッパで留学生活を送ることに興味があったから。
3. 今まで北大から留学生が派遣されたことがなく、かつ日本人にはあまり馴染みのない国なので、自分を試せると思ったから。

全体的なスケジュール

2018年3月(2年次) 留学を意識し始め、英語を勉強
2018年6月(3年次) 第3次交換留学へ応募
2018年12月 ビザ申請手続き開始
2019年2月 出発
2019年7月 帰国

履修授業(それぞれ)

1. Population and Development
移民経済学と開発経済学の授業。移民が多いルクセンブルクならではの授業だな、と思い履修。授業は200人規模の教室での講義。先生のフランス語訛りの英語がまったく聞き取れず苦戦した。

2. Contemporary Financial Issue
前半は最近の経済に関するニュースや問題を1つ取り上げ、ディスカッション。後半はプレゼンテーション(グループごと)。50人ほどのクラスに私しか留学生がおらず、最初は戸惑った。プレゼンテーションのグループメンバーとは毎週ミーティングを行っていたのでとても仲良くなった。

3. Corporate Finance
企業の財務諸表を分析する授業。予習復習をしっかりしないとついていけないが、内容は履修した中で1番興味深かった。しかしテストで上手くいかず単位取得ならず。

4. English for Economics
これもディスカッションベースの授業。テーマがBrexitやYellow vest movementsなどEUでホットな話題なことが多く、ついていくのが大変だった。

5. Business English
その名の通りビジネスイングリッシュの授業。レベルはあまり高くなかった。

6. French
フランス語の知識がまったくなかったので基礎を学びたいと思い、履修。挨拶と自己紹介が出来るようになった。

1週間のスケジュール

  Monday Tuesday Wednesday Thursday Friday Saturday 

Sunday

Morning       class class Sightseeing 

Short trip

Afternoon class class class library class
Evening library library class    

生活

住居は大学のすぐ近くのアパートメント(寮)だ。大学が契約しているアパートメントが複数あり、家賃の希望や空き状況に従って振り分けられる仕組み。
食事は基本的に自炊。たまに学食も使った。1食500円程度でかなり美味しいものが食べられる。写真は学食のステーキ。
交通に関しては、国内だと学生は公共交通機関がすべて無料(近年中にすべての国民が無料になるらしい)。

娯楽

ルクセンブルクは都心部の中世都市と金融センター以外は「森と渓谷の国」といわれる田舎町なので、国内では娯楽が少ない。市街地に出ればショッピングや観光を楽しめるが、私が住んでいた場所から市街地までは電車で40分程かかり、なぜか日曜日は電車が動いていなかったので不便だった。
しかし、「北のジブラルタル」といわれる古来からの交通要衝なので、電車で片道30分程で近隣の国に行けるのは非常に良かった。国ごとに街並みがまったく違うので歩いているだけでおもしろい。

ルクセンブルク北部のヴィアンデン。お城がとても綺麗だった。

フランスのストラスブール。ルクセンブルクから電車で1時間半程。
街並みが可愛らしく観光客でにぎわっていた。

トラブル

大きなトラブルは2つ起こった。1つ目はビザの発給だ。手続きを始めるのが遅かったのと、ルクセンブルク移民局とのやり取りが上手くいかなかったため、出発予定日が来ても滞在許可が取れていなかった。仕方なく出発日を遅らせ(飛行機代が…><)、在日本ルクセンブルク大使館の方にも協力して頂き、なんとか授業開始日にルクセンブルクに到着することが出来た。
2つ目は財布を盗まれたことだ。ロンドンにて財布を掏られ、身分証明書、手持ちの現金、すべてのクレジットカードを失い、絶望の淵に立たされた。パスポートは盗まれなかったのでルクセンブルクに戻れたが、クレジットカードが手元に届くまでの約1ヶ月間はかなり節制した生活を強いられた。
これらの経験から、留学準備は早めに始めること、貴重品は分散して管理すること、という基本的な教訓の大事さを身に染みて実感した。

まとめ

私がルクセンブルク留学を通して学んだことは主に3つある。
1つ目は問題解決能力だ。初めて海外に長期滞在し、滞在許可の手続きやインターネット環境の問題など、小さなことも含めれば様々なトラブルに遭遇した。最初はトラブルに遭遇する度に慌てていたが、徐々に冷静に対処することができるようになった。
2つ目は環境適応能力だ。ルクセンブルクにはほとんどアジア人がおらず、周りに西欧人しかいない環境が最初はストレスだったが、生活していくうちに周りに馴染んでいくことが出来たと思う。ルクセンブルクでは日本人というマイノリティに属していたが、日本人であることを活かし興味を持ってもらうことで、周りの人々と打ち解けることが出来た。
3つ目はコミュニケーション能力だ。授業でも日常生活でもなるべく自分から発言・するように心掛けることによって、英語力・コミュニケーション能力が向上した。

留学希望者へのアドバイス。出発前は色々なことが心配になると思うが、あまり神経質になり過ぎないほうが良い。問題が起こったときは、周りのサポートしてくれる人にすぐ相談するようにして心配事を1つずつ解決していけば上手くいくと思う。

今回のルクセンブルク留学は二段階留学の1段階目であり、2段階目としてシンガポール経営大学への交換留学を予定している。“小さな経済大国”という共通点を持つルクセンブルクとシンガポールに留学して、この2国の相違点を自分なりに導き出したいと思う。また、ルクセンブルク留学で学んだこと、反省したことを活かして、さらに実のある留学にしていきたい。

最後に、今回の留学を支えてくださった高井先生、両親、周囲の方々に感謝申し上げたい。いつも寄り添って応援してくださり、ありがとうございました。

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