大学院留学のすすめ (編集部 Vol.5)

留学マニュアル

■大学院留学のパターン
本書執筆者を中心とした大学院留学の事例は主に以下の4パターンです。
① 日本の修士1年次9月から翌1月まで交換留学し、2年次に修士課程を修了する。
② 日本の修士/博士1年次9月から翌6月まで交換留学し、3 年次に課程を修了する。
③ 「ダブル・ディグリー」の修士課程に入学し、3年次2つの修士号を取得する(専門さえ合えば、欧州の Erasmus Mundusも検討価値がある)。
④ 海外大学院に正規入学し、海外修士号/博士号を取得後、国内外で就職活動する。
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■海外学位取得の注意点
◇ 国際分野や一部の先端分野では、海外大学院の方が優位にあります。とくに「有名校」(たとえば世界ランキング100位以内)の博士号は、国内外で研究者になるのに有利でしょう。
◇ 他方、日本企業の総合職就職では、北大卒・修士の新卒枠ならば楽々と大企業に採用される人でも、海外学位の海外枠で応募すると、前例や評価が定まらず悪戦苦闘するようです。「無名校」(日本での知名度は現地での名声や研究教育水準を反映しない)は日本の企業社会に正当な評価をされないのが現状です。
◇ 第1の対策は、留学先を「有名校」に限定することです。世界に通用する学位を取得できれば、国際規格の品質保証書と国際的人脈の名刺になります。選択と期限が鍵でしょう。
◇ 第2の対策は奨学金です。「有名校」入試と奨学金の双方の選抜に不合格なら、自分の適性を客観的に再考しましょう。無理に「無名校」に私費留学するより、日本の大学院から交換留学するか、他の進路を考える方が合理的でしょう。
◇ 第3の対策は、日本の大学院や職場に籍を残すことです。いつでも日本に戻れるよう保険をかけておくことは、その後入試・奨学金・卒業・就職等がうまく行かない時に効いてきます。
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■社会人留学の注意点
◇ 学生時代の交換留学とは違い、社会人には発想の転換が必要です。交換留学は単位取得と語学資格だけでも一定評価される「お客さん」体験でしたが、学位取得留学は大学・学位・成績で序列がつく競争世界です。就職市場も異なり、セーフティネットもありません。
◇ 決断の条件は、十分なスコア(TOEFL-iBT や GRE/GMAT 等)と学費が準備でき、「有名校」や留学奨学金に合格することでしょう。両者の選抜に合格しない場合、留学しないという勇気も必要でしょう。30歳前後がタイムリミットでしょうか。学生時代に留学経験があると有利です。
◇ 再就職の目途がなければ、日本で資格を取ったり、公務員試験を受けたりするなど、他の選択肢を冷静に比較するべきでしょう。私費留学中の休職も、職場と交渉余地があります。
◇ 職歴はリセットせず、留学も再就職も一貫するキャリアプランを作るのが、社会人が生き残る術です。現地就職は実力 (学位と現地語文章力)と就労許可(現地婚姻者)を持つ人のみです。
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