スウェーデン ヨーテボリ大学 交換留学 (中島 新着2015)

ヨーロッパ

経済学部4年 中島加恵子

留学先

スウェーデン・ヨーテボリ大学

期間

2015年8月~2016年5月

 

留学費用

渡航費(往復)=¥205,000
海外保険 =¥120,000
生活費=約¥80,000/月
奨学金(新渡戸カレッジ)=¥80,000/月

 

≪一週間のスケジュール≫

土・日
AM 課題 The Swedish Model & Equality 予習 課題 課題や復習 スウェーデン語授業
PM 日本語ボランティア FIKA Swedish Model in Labor Market The Swedish Model & Equality After Work おでかけや旅行など

 

≪留学前後のスケジュール≫

留学前
2014年
10月:交換留学申請
11月:交換留学面接
→2月末までに
TOEFL-iBTスコア提出
の条件付きで合格

2015年
2月:TOEFL-iBTスコア提出

5~6月:居住許可書申請
ヨーテボリ大学での授業選択
寮の申請

8月:渡航

留学後(予定)
2016年
5月末:帰国
6月:TOEIC受験

8,9月:インターンシップなど参加
(予定)

2017年
3月:就職活動開始(予定)

≪目次≫
1.はじめに
2.留学前
3.留学生活
4.留学後
5.留学アンケート

1.はじめに
 留学を決めた動機
私が留学に行ってみたいと思ったのは、それまで英語に対して苦手意識があったからです。英語が苦手だと思ったまま大学を卒業して、社会人になるのは嫌だなと思ったことと、自由に使える時間の多い大学生のうちに何でもやってみようと思ったことがきっかけで留学を決意しました。

 なぜ、スウェーデンだったのか?
留学を決める際、最初に思い浮かんだのはアメリカやカナダといった英語が母国語の国でした。ですが、様々な情報を集めていくうちに、スウェーデンに留学したいと思うようになりました。その理由は二つあります。一つは、スウェーデンは母国語がスウェーデン語であるにもかかわらず、英語教育が充実しているために、ほとんどの人がネイティブ並みに英語を話せるということ、そしてもう一つが、スウェーデンは資源などが豊富にある国ではないが、IKEAやH&Mといった多国籍企業が成功している背景には、人がもつ発想力やアイディア力などを尊重しているということです。留学を通して、グループディスカッション力やコミュニケーションスキルを向上させたいと考えていたので、そういった発想力やグループでの意見交換を重要視している国は良いなと思ったからです。

 ヨーテボリはどんな場所?
ヨーテボリは、人口約52万人のスウェーデンの第二の都市であり、貿易や産業の中心地です。自動車メーカーVolvoの本社があるのもヨーテボリです。交通手段は主に、トラムとバスですが、大学から街の中心まで徒歩でも行けるくらいにコンパクトな街になっています。
2.留学前
 居住許可と海外保険
スウェーデンに留学する際には移民局への居住許可書の申請が必要になります。私はギリギリに申請してしまったので、留学前に届くかハラハラでした。もっと早くに申請しておくべきだったなと思いました。また、海外保険は北大が勧めている保険に加入しました。

 クレジットカード
スウェーデンは、コンビニでのちょっとした買い物でもクレジットカードを使うような国です。VISAかMasterカードであれば、だいたいのお店で使えました。私は、2枚のクレジットカードと日本のATMからでもお金を入金できるデビットカードを持っていきました。ただ、旅行などで飛行機を取ったりする場合に、予約サイト(特に最低価格などを提示しているサイト)によっては日本で契約したカードは使えないということもありました。

3.留学生活
 住居
住居はヨーテボ大学が留学生向けに提供している寮に住んでいました。選択肢は5,6つほどあり、留学前に申請しておきます。また、1年間の場合は、学期が変わるときに空きがあれば違う寮に引っ越すこともできます。秋学期に私が選んだのは一人部屋で各部屋にキッチンが付いているMedicinaregatanという寮でした。大学まではトラムで15分ほどの場所で徒歩5分のところに図書館もありました。前の住人がキッチン用品や寝具などを残しておいてくれたので、特別に買い足す必要もないラッキーな部屋でした。春学期は、大学までトラムで15分ほどのところにあるBirger Jarlという二人でのシェアルームに引っ越しました。同じく経済学部に留学している中国人の女の子とルームシェアをしました。ルームメイトは、寮のオフィスが機械的に決めるので選ぶことはできません。このルームシェアの経験は、なかなか日本ではできないことなので、様々なことが学べてよ
い経験になりました。

 大学での授業
私は主にHandelsという校舎で授業を受けていました。校舎はとてもきれいで、特に図書館は円柱状で天井まで吹き抜けになっていておしゃれな建物だったので、図書館に行くのが少し楽しくなるような場所でした。また、留学生がとる授業は全て英語で行われます。

写真1.Handels校舎

写真1.Handels校舎

 

写真2.Hnadels内の経済学部図書館

写真2.Hnadels内の経済学部図書館

 

以下がヨーテボリ大学で履修した授業です。
• Financial History (9月)
• Modern Scandinavian Economic History(10月)
• The Swedish Model and Equality(11,12月)
• The Swedish Model in labor Market(11,12月)
• Corporate Sustainability (1,2,3月)
• Event Management(4月)
ヨーテボリ大学では、一か月ごとに授業が変わるような履修形態になっていて、授業は週に2回~3回行われ、期末レポートの提出や期末試験が最後にあります。成績評価は、VG(上位75%以上),G(単位取得),F(単位なし)の3種類しかないため、個人で良い成績を取るために頑張るというより、みんなで協力して課題をこなしたり、テストなどの情報をシェアする雰囲気が強いように感じました。
Corporate Sustainability
6つの授業の中で最も大変だと感じた授業でした。これは、企業のCSR活動を様々な視点から分析するという授業でした。主に、授業を受けて、各章の最後に5人程度のグループワークで課題レポートを作り、プレゼンテーションするというものでした。グループワークは2か月を通して計4回ありました。そして最後には、個人レポートも課せられ、それら全てが評価の対象になりました。このクラスにはたまたまアジア人が私ひとりしかおらず、ほとんどがスウェーデン人の生徒でした。私のグループは、他4人がスウェーデン人でした。最初は、「こんなこと言ってもしょうがないな」とか「間違ったこと言ったら笑われるかな」と思ってしまって意見を言うのが怖かったのですが、もし何も話さなかったら予習したこともなかったことになってしまうと思い、小さな疑問や、その時思ったことは怖がらずに言うようにしました。怖がっているうちは、分担して書いていったレポートの私のパートが内容の繰り返しになっているなどの理由で消されてしまうことが多かったのですが、そういったことを心がけて、積極的に言葉を発していった結果4回目を迎えるころには、私のパートも取り入れられるようになり、また、内容が分かりづらいところも指摘してくれて、他のメンバーが直すのではなく私が直し終わるまで待っていてくれるようになり、努力を認めてもらえたような気がして嬉しかったですし、自信に繋がりました。
Event Management
この授業は、大学院の選択授業の一つで学部生でも、それ相応の単位を履修済みであれば履修することのできるものです。内容は、Olympicといった大きなイベントに限らず地域ごとの小さなイベントも含めた“イベント”というものが経済にどのような影響を与えているのかというのを学ぶものでした。課題は、グループで、実際にヨーテボリで行われたスポーツイベントをSite Planning やコスト、Sustainabilityといった様々な観点から分析するというものでした。イベントは生活の身近にあるけど、それが経済に対してどういった機能を持っているのか疑問に思ったのと単純に興味があったので履修しました。大学院の授業を受けてみようと思えたのも、その前の月に取っていたCorporate Sustainabilityの授業で得た経験があったからです。
Financial History
この授業は、座学が中心で、期末試験が課されました。ヨーテボリ大学での期末試験は、試験時間が5時間もあり、その間トイレや飲食は自由に行えます。なので、飲み物はもちろん、チョコレートやりんごなどの果物も自由に持って入れます。
Modern Scandinavian Economic History
これは、スウェーデンだけでなく、北欧4か国の経済史を振り返るという授業でした。似ているように見える4か国でも、それぞれに経済成長の特徴や時期の違いがあり、北欧について学ぶのには分かりやすい授業でした。
The Swedish Model and Equality & The Swedish Model in labor Market
これらの2つの授業は、11月から12月にかけて行われたもので、高福祉国家や男女平等などのイメージが強いスウェーデンの経済を学ぶことができました。日本に比べると男女平等が根付いているが、それでも高収入の職業になってくると女性の数は男性に比べてぐんと減ったりしているということも分かり、外から見ているだけではなかなか気づくことのできない点にもこれらの授業を通して学ぶことができました。
 食事
私は自炊が中心の食生活でした。というのも、外食(特にディナー)は、値段がやはり高くなってしまうので、お昼を外で食べることは多かったのですが、夜は自炊することが多かったです。日本の調味料やアジアの食材が売っているアジアマーケットもあるので、すごく助かりました。
 Fika
スウェーデンにはFikaという文化があります。これは、日本でいうお茶をするということなのですが、堅苦しいものではなく、また会いたいと思う友達を「Fikaしよう」の一言で気軽に誘うことのできるとても便利な言葉です。友達を作る時に、このFikaの文化にすごく助けてもらいました(笑)
 ヨーロッパ旅行
クリスマスシーズンには、学校は全て休みになるので、ヨーロッパ5か国をEurail Global Passを使って旅行しました。スウェーデンはシェンゲン協定国なので、その協定国間の移動は自由にできます。同じ寮に住んでいた、マレーシアと中国から来ていた女の子との3人での旅行でした。この旅行を通して、やはり英語でのコミュニケーションはニュアンスなどを伝えるのが難しいことを実感しましたし、それ以上に、それまでは国ごとに国民性は大きく違うものだと思っていたけれど、方法は違えど、お互いに気を遣いあったり、思いやったりしようとする気持ちに変わりはないなということも実感することができ、とても貴重な経験になりました。また、日本からでは簡単には行けないヨーロッパの色々な国を見ることができるのもヨーロッパ留学のいいところだなとも思います。

写真3.一緒にヨーロッパ旅行に行った子たちと

写真3.一緒にヨーロッパ旅行に行った子たちと

写真4.ベルリンでのクリスマスマーケット

写真4.ベルリンでのクリスマスマーケット

写真5.オーストリア・ザルツブルク

写真5.オーストリア・ザルツブルク

4.留学後
 多くの人との出会い
留学生活は、生活はもちろん、友達もゼロからのスタートになるので、その分多くの人に出会うことができます。最初に自分から声をかけてみたり、友達になりたいと思った人には、たとえ英語がたどたどしくても積極的に話しかけていくことが、思っていた以上に大変だけれど大切なことだということを実感しました。留学が始まった初めのころは、不安の方が大きくて毎日、どうしようと思っていましたが、たまたま寮であった留学生の子に声をかけたら、その人が日本好きだったという偶然も重なって、仲良くなって困ったときは助けてくれたり、一緒に出掛けたりと、とてもいい出会いでした。
また、ヨーテボリ大学には日本語学科があり、日本語を勉強している人が多くいました。それだけではなく、高校生の日本語ボランティアにも参加すると、まだ高校生にもかかわらず日本語を学んでいる生徒にも出会いました。日本のアニメや漫画好きで日本語や日本に興味をもったということを話していました。そういった人たちとの出会いや交流を通して、私自身が思っていた以上に、多くの外国の人たちが日本という国に興味や魅力を感じてくれているということが嬉しいなと感じました。こういったことは、日本からではなかなか知ることのできないことだと思うので、思い切って海外に行った意味があったなと実感しました。

写真6.ヨーテボリ大学の日本語学科の人たちとの交流会の様子

写真6.ヨーテボリ大学の日本語学科の人たちとの交流会の様子

写真7.仲の良かったマレーシアから来ていた留学生の子たちと

写真7.仲の良かったマレーシアから来ていた留学生の子たちと

 スウェーデンでの留学を通して
この留学という貴重な時間で、日本では経験できないような様々なことを見聞きし、経験することができました。新しい経験が多い分、自分と向き合うことが必要になる瞬間も多かったです。しかし、そのおかげで今までは向き合わずに済んでいたような自分を知ることができたり、将来どんな仕事がしたいのかということをじっくり考えたりする貴重な時間になりました。そして、様々な価値観を持つ人や異なった文化のもとで育った人たちとの出会いが、この留学を通して最も貴重なものになりました。英語の苦手を克服したいというところからスタートした留学でしたが、実際に留学を終えてみて、英語の上達以上に、多くの人との出会いや様々な経験を得ることができました。初めのきっかけは、ふと思いついたような軽いものだったけれど、スウェーデンに飛び込んでみてよかったなと心から思います。
 これから留学を考えている人へ
私は、きっかけはどんなに些細なことだったとしても留学に行ってみたいと思った人はぜひ行ってみるべきだと思います。留学に行くなら、英語が得意じゃないといけないとか、誰とでもすぐに仲良くなれなきゃいけないとか考える必要はないと私は思います。たとえ国が違っても、困っているときは助けてくれる人がいますし、追い込まれた時ほど思ってもない力を出せるということを、この留学を通して身をもって感じました。行っておけばよかったと後で後悔するのはもったいないので、少しでも留学という選択肢が浮かんだら、とりあえず行動に移してみると新しい景色が待っているかもしれません。

6.留学アンケート
 マナーやタブーは?
特別気を付けなればならないマナーやタブーというのはありませんでした。
 持っていってよかったもの
日本のお土産(手ぬぐいなど)、地球の歩き方(旅行のときに便利です)、
日本の文房具(日本の文房具は質がいいので(笑))
 留学前の必見
Trans Japan、スウェーデンを知るための60章

 

PAGE TOP