フランス パリ政治学院 交換留学(和泉 新着2018)

ヨーロッパ

交換留学(パリ政治学院)
フィールドワーク(フランス・イギリス・ドイツ・オランダ)
インターン(ドイツ)

留学体験記

経営学科3年 和泉杏奈

フランス パリ政治学院

留学先

・交換留学

フランス パリ政治学院
(Sciences Po, Paris Campus)

・フィールドワーク

フランス・イギリス・ドイツ・オランダ

・インターンシップ

ドイツ

奨学金

文部科学省トビタテ!留学JAPAN
日本代表プログラム
世界トップレベル大学等コース第9期生選抜

期間

2018年8月~2019年2月

志望理由

以下の三点を期待し、志望しました。1)目標言語圏での生活による外国語力の向上(英語+フランス語)、2)専門的知識の深化、3)多様な文化背景を持つ学生との交流による価値観の変化、の三点です。これらの点に関して、どの教育機関で学ぶが最良かと検討した際に、英語とフランス語の両方での授業履修が可能となること、研究領域において世界の他の大学と比べても優れていること、在学生の47%が留学生であることを勘案し、学ぶべき協定校はパリ政治学院の他にはないという結論に至りました。
加えて、欧州でも一際人的流動性が高いパリには、いわゆる「ヒト、モノ、カネ」が集まると聞きます。早い段階でそのような環境に身を置くことは今後の私のキャリアパスに多大なる影響を与えることと予想しました。
これまで旅行を除く長期滞在は、中学生の頃のアメリカ・高校生の頃のカナダと英語圏の国しかありませんでした。ヨーロッパに行ったこともなく、フランス語もあまりわからない状態だったからこそ、もし半年でもフランスで生きて行くことができれば、将来どこか知らない国に行くことになっても対応できる素地ができるバイタリティもつかられたらとも思っていました。
パリ政治学院で学び、これらの能力の獲得をし、将来のキャリアパスに繋げたいと強く希望し志望しました。

パリ政治学院

歴代の大統領を輩出してきたグランゼコール。
フランス人の正規生の友人から、他のフランスの大学と比較したパリ政治学院の6つの特徴を聞きました。
①非人間的な膨大な課題
②ハイレベルな専門性
③(ほぼいつも)グループワーク
④(ほぼいつも)ディスカッション
⑤(ほぼいつも)プレゼンテーション
⑥47%がinternational students
ここで勉強させていただいたことをとても誇りに思います。
大変でした!!!

留学前後のスケジュール

1年生留学を意識し、留学先を検討
2年11月IELTS受験:目標スコア獲得
10月留学志願書提出
2月学内留学面接に合格
文部科学省トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム計画書提出
3年生6月文部科学省トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム世界トップレベル大学等コース第9期生選抜決定
ビザ申請
7月トビタテ事前合宿
8月渡航 フランスへ!   フィールドワーク開始 Welcome Program参加(Sciences Po)
12月Sciences Po学期終了
2019年1月フィールドワーク(フランス・イギリス・ドイツ)
インターン開始(ドイツ)
2月帰国

費用

1. 航空券:往復20万
2. ビザ:6800円+大使館に行くための東京への航空券代
3. 家賃:590€/月(シェアハウス)
4. 保険料:68000円

準備

ビザ

ビザ(VISA)の種類:学生ビザ
ビザ(又は滞在許可書)を取得するために要した日数:3週間
経費:6300円
手続き:必要書類をきちんと揃えなければ、もう一度北海道と東京の往復となるので注意が必要です。
ちょうど夏前は、交換留学や語学留学のためにビザ申請が殺到し、予約まで1ヶ月ほどかかることもあるそうなので、早めの準備が必須です。

保険

大学で推薦されたものに加入しました。保険にお世話になることはありませんでしたが、必ず入るようにしましょう!

お金

デビットカード2枚とクレジットカード2枚を持っていました。
フランスでは基本的にはカードで生活できますが、パン屋さんやマルシェでは現金が必要になることも多く、カードと現金どちらも持っておくと安心です。
一方で、ドイツでは、スーパーなどではカードを使えましたが、現金がないとほぼ生活ができませんでした。

一週間のスケジュール

一週間のスケジュール

1. European Union in the world economy

アンガス・マディソンの世界経済史概観が初回の課題図書という、高井ゼミ生にとってはとてもワクワクする授業でした。教授も優しく、論文のテーマの相談をしてもいつも丁寧に回答していただけていました。グループワーク・グループプレゼンテーション・個人論文2回で成績が評価される、パリ政治学院らしい授業だったように思えます。

2. United Nations Peace Keeping : Theory and Practice

国連PKOについての授業でした。毎週10以上事前に論文を読み、授業中は教授の質問にすぐにレスポンスをし、こちらからも一つは質問を返すということが必須でした。教授はとても優しく、私が日本人ということがわかると、日本の関わる事例や論文を持ってきてくれました。

3. Gender and Development

開発についての授業です。主にグループワークとグループプレゼンテーション、個人論文で評価されました。パリ政治学院は47%が留学生ということもあり、グループワーク中に「私の国ではこういう課題があって…」各々が話すことで世界の課題についても考えることができました。

4. Français Débutant

フランス語の授業です。主に話す・聞くに重点が置かれていました。
上のレベルではないにも関わらず、最初から5分間フランス語でのプレゼンテーションをやる、フランス語でかなりの量のエッセイを毎週行うなど、ハードではありました。
しかし、教授もとっても優しくチャーミングで、クラスメイトもとっても優しく仲がよく、本当に恵まれた良いクラスでした。学期が終了した後も、グループチャットで別れを惜しみ、このクラスが最もよかった最高と言い合うほどでした。

5. Danse classique débutants

留学中に新しいことを始めることを留学の先輩方からおすすめしていただき始めたのが、バレエです。ほぼフランス人しかおらず、すべてフランス語、そして初めてのバレエと大変でしたが、パリでバレエ、とっても良い経験になりました。

パリで出会った人たち 友人

パリ政治学院で出会った正規生のフランスの子たちと世界中から来た留学生(全大陸に留学後も連絡を取ることのできる友人ができたのにはびっくりしました!)、オペラ座近くのスターバックスで出会った他大学のフランス人学生、フランス語を教えてくれたよく行っていたカフェの店員さん、健康診断のために行った医科大学で迷っていたところ助けてくれた大学内を自転車で走るお兄さん、そして、シェアハウスの素敵なthe パリジェンヌな方々。ここには書ききれないほど、多くの素敵な方々にお世話になりました。
異文化交流として、それぞれの国の文化の違いについてよく話が盛り上がっていましたが、国の違いだけではなく、その人自身について、例えば互いのパーソナリティや人生など、もっと深いところの話までできるような友人に出会えたことはとても大きな財産になりました。

娯楽

美術館

パリへ留学される方におすすめなのは、美術館巡りです。学生証と学生VISAがあれば、ルーブル美術館やオルセー美術館の入場料は無料でした。どの美術館もとても素敵でしたが、私が一番足を運んでいた美術館はルーブル美術館です。毎週金曜日は夜間も鑑賞できるということで、授業が終わるとすぐに教室を出て、セーヌ川を急いで渡り、昼間とは異なる雰囲気を纏った作品を一人でゆっくり鑑賞していました。今考えるととても贅沢ですが、学生ならではの”特権”だったように思えます。

まとめ パリ政治学院での生活を振り返って

大切なのは、出発することだ

この留学は、困難なことばかりでした。”非人間的”と正規生から言われるパリ政治学院でしたが、多くのことを学ばせていただきました。
まず、もがく大切さを学びました。必要スコアをとる、学内選考を突破する、Sciences Poに受け入れてもらう、VISAをとる、奨学金にアタックする、授業について行く、事前課題を読む、インターン先を見つける、フィールドワーク先を見つける、インターン先でも頑張る、、、と多くの困難がありました。正直、周囲からは「無理だ」、だとか、「そんなに頑張らなくても、妥協しても良いんじゃない」だとか、「俺はそこまで頑張らないよ」だとか、「非現実的」だとか言われることはしょっちゅうありました。諦めるのは非常に楽です。もう頑張らなくても良いから。それでも、諦めず、迷ったら難しい方を選び、苦しい中、必死に地道にもがき続けたことに後悔はありません。もがくことで自分の成長につながったと感じるからです。
加えて、なぜ自分がもがき続けられたのか、ということについて気付くことができました。確かに、自分の精神的体力的なタフさが少しは必要ですが、それ以上に、周囲の人がいつも励ましてくれていただいたからだと思います。留学先の選定に当たって、新渡戸の先輩方、高井ゼミOBの方に相談に乗っていただき、その方にご紹介していただいた先生と事務の方にはいつも相談に乗っていただけからこそ、パリ政治学院に出会うことができました。留学前の準備の時期にも、留学するしない関わらず、高井ゼミの先輩と同期の仲間、学部の友人、学部外の友人には、いつも励ましていただいていました。留学中も、留学先で出会った仲間やフィールドワークで出会った駐在員の方にあたたかい言葉をいただき、頑張ることができました。
このように、留学を通し、多くのことを学ばせていただきました。留学を実現するために努力し、もがき、柔軟に対応することで、胆力やバイタリティが身についたと思います。頑張れたのは、いつも周りの方に応援していただけていたからだと本当に思います。

最後に、

大切なのは、出発すること

これは、偶然見かけたTVでやっていた、探検家の星野道夫さんの言葉です。この2つの言葉を今この体験記を読んでいただいている、留学を控えているであろう方に贈ります。どんなに困難であろうが、周囲から無理だと言われようが、挑戦しない限り成功する可能性は0です。もし留学してみたいと思われているのなら、まず挑戦してみるのはいかがでしょうか。人生に何度もはない、大学生の、今、この時にされる皆さんの留学が素敵なものになるように祈っております。


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