台湾 国立台湾大学 交換留学 (池永 新着2015)

アジア

国立台湾大学 留学報告
経済学部経済学科4年 池永隼人

参加プログラム:学部間協定 交換留学

費用
航空券:15000円
住居:月26640円(7400TWD, 1TWD=3.6円で計算)
生活費:月 40000円
留学保険:約 5万円

一週間のスケジュール

土日
午前 中国語 中国語 中国語

言語交換

中国語 中国語 言語交換、日帰り旅行、授業準備等
午後 授業 授業 授業 言語交換 授業
放課後 ギター社 ギター社

 

受講した授業
① Economic History, 3単位, 英語
② Managing Global Acquisitions and Restructuring, 3単位, 英語
③ Exploring Taiwan: natural environment and resources, 2単位, 英語
④ Exploring Taiwan: Film and Social Culture in Taiwan, 2単位, 英語
⑤ General Chinese Language Course, 3単位, 中国語の授業
⑥ Chinese Enhancing Course, 1単位, 同じく中国語の授業

1 台湾留学の志望動機

① スウェーデン留学を経た二段階留学
正式に経済学部窓口に申し込みが完了したのは前期に留学したスウェーデンに到着した後で、出発前までは滞在を延長し一年間スウェーデンにいる事も考えていた。そこに高井先生から経済学部の部局間協定での台湾大学行きを提案して頂いた。各国半年ずつというのは短い期間にも感じたが、北欧留学の後にアジア、中国語圏の留学を経験できる事に魅力を感じた。

(スウェーデン ウメオ大学 交換留学 (池永 新着2015))

② 国立台湾大学である事
国立台湾大学、通称台大(タイダー)は台湾の東大と位置づけられる大学であり、授業のレベルの高さを聞いていた。 スウェーデンではヨーロッパ圏の経済、また企業文化の授業をとっていたため、もう一学期を使って違う地域、特に東アジア圏の経済の授業を受講することを望んだ。

2 留学準備

・ VISA、保険など。
僕は半年留学だったので180日有効のVISITOR VISAで入国できた。事前にオンラインで申し込んだ上で、必要な申請書類を持って申請に向かえば翌日には発行してもらえる。日本にも各地に台湾事務局があり、札幌でも申請可能。海外保険は経済学部事務に紹介して頂いたものに加入した。後述するが、海外保険の偉大さを台湾で実感した。クレジットカードは、スウェーデンの時と同様現金引き出しようにデビットカード、さらにクレジットカードを一枚持っていった。どちらも楽天。たまにデビットカードが受け付けられない事があるので、楽天カードに頼りすぎるのは危険かもしれない。一方で台湾ではクレジットカードを受け付ける店は少ないため、クレジットカードを持たない学生も多く、普通に生活できていた。

・ 電話、通信
寮にはWi-Fiが通っているので、ルーターかケーブルがあればパソコンも使える。台湾では色々な会社が安いプリペイド式のSIMカードを提供しており、僕はセブンイレブンで買う事の出来るSIMカードをiPhoneにさして利用していた。手続きも簡単、料金も安いので非常に便利。ただ台湾大学、地下鉄など至る所にWi-Fiが通っているため、Wi-Fiのみの利用でも充分だったと感じる。

3 到着後

・ 到着当日
台北には桃園機場と松山機場の2つの空港があり、桃源からは、オンラインのアプリケーション時に申し込めば当日空港まで迎えにきてくれるサービスを利用する事が出来る。僕は松山を利用したためそのサービスは無く、台湾人の友人に迎えにきてもらった。松山はMRT(地下鉄)でアクセスできるので便利。寮について手続きを終えると、友達に手伝ってもらい家具をそろえにいく。大学から薦められる到着日に着くようにすれば、その二日間は寮の前で家具のセールもやっているので便利。

 

・ 到着後一週間
到着してから授業が開始するまでは一週間程あり、その間に大学でオリエンテーションや入学手続きの日がある。オンラインアプリケーション時に指定される健康診断書などが必要。事前申し込みのキャンパスツアーなどで台湾大学を見て回ったり、この間に市内を散策するのも良い。

4 現地の生活

・ 寮
僕の寮は台湾大学正門から歩いて5~10分、MRT公館駅から5分くらいにある水源宿舍だった。申請時には寮費の安さからトリプルルームかツインルームを希望したが、なぜか人気のシングルルームを割り当てられた。寮費は月7400TWD、キッチン付きだとさらに1000TWD程上がるらしいが、台湾では基本外食して生活していたので不要。部屋はベッド、机、冷蔵庫クローゼットなどが着いているが、布団などその他基本的な家具はついていないので買いにいく必要がある。寮は女子シングルのA棟、男子シングルのB棟、二人部屋のC棟に別れており、A棟横には卓球台、ビリヤード台、またトレーニングルームを備えたラウンジが併設しており、休みの日によく利用した。洗濯機は地下一階にあり共用。歩いてすぐ近くにセブンイレブンがあり大変重用した。

【部屋到着時の状態。基本的に家具は無い】

【部屋到着時の状態。基本的に家具は無い】

・ 食生活など
台湾は台湾食のお店に入れば日本円で一食200,300円ですませる事が出来るので、食事はすべて外ですませた。余市も有名で到着した当初は台湾人の友達に連れて行ってもらったりして精力的に回っていたが、だんだん面倒になってきてその後はだいたい寮周辺ですませるようになる。ただし公館周辺は少し物価が高いといわれている。洋食、和食となんでもお店があるので困る事は無いが、台湾食にくらべてやはり若干高い。基本的に単品の値段は安いが、夕飯などは量を食べようとすると意外に高くなるので、全体的に食費が著しく安く収まるということは無かった。

・ 大学
キャンパスは非常に大きく北大に匹敵する大きさ。正門から入ると図書館まで続くメインストリートがあり、これも北大を思わせる。台湾大学は日本統治時代に台湾帝国大学として設立されたため、例えばメインストリートのわきに立ち並ぶヤシの木は沖縄から持ってきた物である。僕の所属先であった社会科学院は2014年に新築された棟を使用しており、特に図書館は壮観である。ちなみに社会科学院は正門、宿舎とは逆側に位置しており、宿舎からは自転車をこいでも20分以上はかかる。キャンパス内には各学部の棟の他ジムを併設した体育館、広大なテニスコートやサッカー場など運動場、また農場もある。台北の観光スポットとして認知されており休日には観光客や日本からの修学旅行生も多かった。

【図書館前からのメインストリート】

【図書館前からのメインストリート】

 

【社会科学院図書館】

【社会科学院図書館】

5 受講していた授業
授業はスケジュールにもある通り、毎日午前8時〜10時に中国語の授業を受け、午後に専門などの授業を受けていた。中国語を話せないため専門はすべて英語で受講していたが、生徒は国際生が中心だった。授業のスタイルは英語の授業だった事もあり欧州よりで、グループワーク、プレゼンテーションの比重も高い。

① Economic History
その名の通り経済史の授業で、先生はイギリス人だった。授業の内容は、範囲は古代から近代までに渡り、時代ごとに目立つ経済システムの変化があった地域などを中心に取り上げ講義をしていく。毎授業の二時間目にグループワークがあり、週ごとに指定された論文を授業前に読んできて、グループワークで議論し先生の出す課題に対しその日の夜迄にグループレポートを提出するという形式。中間と期末試験がそれぞれありすべて記述式の問題。先生は英語力に欠ける僕らに対し理解のある方であった。

② Managing Global Acquisitions and Restructuring
M&Aの授業。試験はなく、中間と期末のプレゼンテーションとそれに伴うグループレポート、それに授業での発言点と先生の気まぐれでとる出席点で成績が決まる。講義内容はかなり高度で、毎授業ごとに日本語で調べ直し復習しなければ理解できなかった。ただ評価は寛大であった。

③ Exploring Taiwan: natural environment and resources
専門の授業ではなく、主に国際生向けに台湾の自然、生物、環境などのトピックをオムニバス形式で講義していく授業。学期内にフィールドトリップが三回あり、学内の博物館、台湾国立博物館等にいった。評価は出席点とグループレポート及びプレゼンテーション、期末試験でつけられる。オムニバスなので毎回教授もトピックも変わるのだが、中には専門性が高すぎるものも多くまったく理解できない週が多々あり、期末試験前はかなり辛い思いをした。

④ Exploring Taiwan: Film and Social Culture in Taiwan
台湾映画の歴史を、台湾創立以来の歴史、文化変動と照らし合わせて講義をしていく授業。先生はかなり思想の強い人であったがとても興味深い授業だった。中間、期末のレポートによる評価で、希望者は中間課題をプレゼンテーションにする事も出来たので僕はそれを選択した。この授業を助けに台湾の政治、文化を学習できた事は、今年の台湾人にとって一番大きな関心ごとである選挙について考える意味でもとても意義のあるものであった。

⑤&⑥ General& Enhancing Chinese course
国際生向けの中国語の授業。ジェネラルの授業は朝か夜の選択が可能で、僕は週三回の朝の授業を選択し、希望者がとれる週二回のEnhancingのコースと合わせて毎朝中国語を学べるようにした。学期前のPlacement Testで授業のレベルが決まる。毎朝八時からの授業は起きるのが非常に辛かったが生活リズム改善にも一役買っていた。

6 その他の活動

・ Language Exchange
台湾では可能な限り中国語を話す機会を増やしたいと決めていたので、日本語を学びたい台湾人に中国語を教えてもらい、代わりに日本語を教えてあげるというこのLanguage Exchangeを精力的に行った。パートナーは寮の一階の掲示板で募集している人の中から見つける事も出来るし、僕の場合は元々日本で知り合った台湾人の友人にお願いしたり、留学フォーラムで北大へ興味を持ってくれた人にお願いしたりしてパートナーを見つけ、計週4回くらいは行っていた。大抵カフェや学内で数時間、お互いの教科書を使ったり、人によっては雑談ばかりになったりと内容は様々。台湾人の友達作りにもなるので積極的に行った方が良いと思う。台大の近くにある師範大学のLanguage centerの掲示板は有名で、パートナーを募集している人をたくさん見つける事が出来る。

・ ギター社
国際生の多い英語の授業をとっていたため、授業でなかなか台湾人の友達を作ることが難しかった。そこで台湾の大学でもサークル活動が盛んなため、友達作りもかねてアコースティックギターサークルに入る事にした。サークルと入っても日本の大学とはまた少し違った形であり、ギター社では指導係のサークル二年目の学生が一年目の学生へ講義形式でギターを教え練習するというのがもっぱらの形であった。片言の中国語と英語でなんとか会話し友達も作る事が出来たが、講義自体はすべて中国語で何を言ってるかさっぱりわからなかった。

7 留学を終えて

・ 授業に関して
台湾に来る前の段階で中国語の能力は無いに等しく、従って中国語で行われる授業を理解するすべも無いので最初から英語で行われる授業のみ考えていたが、授業の種類の豊富さ、台湾人学生と接する機会の多さを考えても、台湾に到着する迄にある程度でも中国語を身につけ、1つでも中国語で行われる授業をとるべきだったと後悔している。

・ 台湾に関して
2016年1月16日は台湾の総統選並びに議会選挙の日であり、故にこの半年間街では度々選挙ポスターを見かけ、台湾人の友達とはことあるごとに選挙の話題になった。前述した文化の授業でも学んだ事であるが、日本統治撤退後の台湾の文化変動はそのほとんどが大陸、中国と関係している。実際に2014年におきたヒマワリ運動へは台湾大学の生徒も数多く活動に参加し、主導的な役割を担う人物もおり、実際に僕の台湾人の友達でもヒマワリ運動を観に行ったという学生は多かった。台湾独立派への舵を着るか切らないかという今回の選挙に対する彼らのモチベーションは僕が日本で持つものとは全く違い、それは台湾人のアイデンティティーと強く結びついているものである。選挙当日、当選後の蔡英文の演説を観に民進党選挙本部の前まで足を運んだが、老若男女問わず非常に大勢の支持者が詰めかけ、蔡総統の演説に呼応する台湾

【選挙当日の演説の写真】

人の熱気に思わず圧倒された。

人の熱気に思わず圧倒された。

 

8 二段階留学に関して

ここでは前期にスウェーデン・ウメオへ留学した事も踏まえ二段階留学についての所感を述べる。
僕個人の感想としては二段階留学をすることのメリットは多かったと感じている。あげれば多いが、まず何と言ってもスウェーデンと台湾という好対照な二カ国での生活、授業を経験できる事は非常に貴重であると感じた。ウメオは北欧スウェーデンの中でも中央北よりに位置し、ストックホルムやヨーテポリなど南部の都市からは遠く離れた場所に位置する、いわば田舎の街である。大学都市と言われ、ダウンタウンも小さく冬はあっという間に暗くなる、お世辞にもものに溢れているとは言えない場所である。かたや台北は日本と変わらないくらいの都市でありものに溢れ、生活の便利さも事欠かない。ライフスピードはこの二カ国の間でかなり差があると感じた。ただこの対照的な二カ国で、そちらが自分に合っているか、というのを見つけるのは難しい。ウメオは腰を落ち着けて大学へ通うには最適の環境であり、世界各地から多数の生徒が集まってくる中で受ける刺激も相当に多い。一方で台湾では中国語を学べ、生活も肌に合うと感じる事が出来た。両国ともにメリットがある中で、感じたのは何かしら将来的な視点を持ち両国を比較することが必要だという事だ。就職してから世界のどの地域で活動したいか、等でも良いし、僕の場合は大学院にいくとしたらどちらか、という点を考え、特に後半の台湾留学の間はスウェーデンと比較しつつ過ごしていた。半年という期間は生活に慣れてきてこれから、というところで帰ってしまうという感覚もあり短く感じることもあるが、大学院や就職後までを見据えた視点を持つと、半年ずつ二カ国経験できるこの二段階留学は非常に意味があると思える。
またこれは別であるが、ウメオで気づいた人脈は後半の台湾留学を非常に助けてくれた。ウメオには台湾大学から三人の交換留学生が来ており、彼らは僕が台湾に来た後も頻繁に顔を合わせ大学生活の手助けをしてくれ、最終日に空港迄見送りにまで来てくれた。またたまたまウメオで住んでいた部屋の隣の人が台湾大学出身の台湾人で、留学以前から台湾に関する情報を送り続けてくれた。これはウメオが特に世界各国から数多く留学生を受け入れているが故の特徴とも言えるが、一般的にも留学先には他国からの留学生も数多くいるはずで、二カ国行ける事は人脈を拡げる事にも大いに役立つ事であると思う。
デメリットとしては、メリットの中でも述べたように、半年であるので短く感じ志半ばで去ってしまう、というケースもあり得ること、また単純に語学の勉強には1年間滞在した方が効果があるだろうという点がある。中国語はともかく、スウェーデン語を半年で習得するというのは非常に困難な作業であると感じる。

9 今後台湾大学留学を考える人へのアドバイスとオススメ

・ 中国語はまちがいなく勉強してから行くと良い。授業の選択肢が増えるだけでなく、台湾人との意思疎通という意味でも英語よりも中国語が良い。台大の学生は英語も流暢に操る人は多いが、こと政治や文化などコアな話になると、中国語でもっと会話が出来れば、と思う場面が多々あった。それから街では意外に英語は通じない。

・ セブンイレブンのATMは手数料がものすごくとられるので、便利ではあるがお薦めしない。半年の場合台湾で口座を開く事は出来ないが、台大正門横の書店近くにあるCity BankのATMなら手数料がかからないという噂。

・ 生活に慣れてくると宿舎周辺で食事を済ませるようになるが、台大を挟んだ反対側など自転車で行ける距離に数多くおいしく安いレストランが点在しているので、台湾人に紹介してもらいつつ色々試すと良いと思う。公館駅周辺に比べ、社会科学棟ちかくの通称118エリアなどは物価が安いと感じた。

・ 台北周辺や少し離れた所でも面白い場所はたくさんある。九份などは人が多すぎるため、オススメは平溪線や基隆夜市など。

【宿舎近くの麺屋のメニュー、60TWDでお腹いっぱいになる】

【宿舎近くの麺屋のメニュー、60TWDでお腹いっぱいになる】


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