台湾 台湾国立大学 交換留学 (岡崎 新着2017)

アジア

二段階留学

第一段階 スウェーデン ヨーテボリ大学 交換留学

第二段階 台湾 台湾国立大学 交換留学

留学先

台湾・国立台湾大学

期間

2017年9月~2018年1月

動機

・アジア圏(特に近隣国)への興味

・スウェーデン留学リベンジ

・中国語力の向上

費用

・往復航空券:49,000円(jetstarとpeach利用。受託手荷物代込)

・住居費:月28,000円(7400 TWD)

・生活費:月3万円~5万円

・娯楽費:月2万円~5万円

1週間のスケジュール

履修していた授業

  • Economic History 1
  • Leading Teams and Organizations (LTO)
  • Taiwan through the Lens of Its Museums (Museums)
  • General Chinese Language Course
  • Chinese Enhancing Course
  • Service Learning- International Companions for Learning

留学スケジュール

2016年

2017年

 留学の動機

アジアへの興味

短い期間ながらスウェーデン留学を通して、学業・生活・社会的観点からヨーロッパを理解する事ができた半面、自ら国の周辺地域に関しての知識や理解の乏しさに気づき留学を決意しました。また日本と関わりの多いアジア地域について留学して理解を深めることは自分が将来キャリアを重ねるにあたり重要だと考えました。

スウェーデン留学リベンジ

スウェーデン留学で得たものはもちろん数多くありました。しかし、初めての長期海外生活と半期という短さから、慣れない生活との葛藤が終わり、余裕が出てきてこれから頑張るぞという時に無念の帰国を果たし、不完全燃焼状態でした。スウェーデンでの半期の反省を踏まえ、もう一度より充実した留学を実現したいと考えました。

中国語力の向上

何かもう一つくらい外国語喋れたらかっこいいなという単純な理由です。、第二外国語で1年生の時に学んでいたため中国語を選択しました。

これらにプラスして、指導教員の高井先生からの薦め、所属ゼミの先輩方の二段階留学のお話が私の二回目の交換留学を後押ししてくださいました。

留学準備

語学・関連知識

中国語

1年間必修で学んでいたとはいえ数年前のことなので思い出すべく中国語演習を履修した。またNHKのラジオ講座を利用して毎日中国語に触れるよう努力しました。大学や観光地は英語(日本語も!)が通じますが、生活するならば最低限の中国語が話せると良いです。

英語

スウェーデンでだいぶ鍛えられたので、特別な勉強はしませんでしたが、鈍らないよう留学支援英語と国際交流科目を履修し、週1回アメリカ人の友人と英会話していました。

関連知識

国際交流科目の履修や台湾の歴史や文化に関する本を通して経済、政治、歴史、文化などの知識を身につけました。授業の理解が深まり、博物館や歴史的な場所を訪問した際の充実度が増しました。また、特に台湾に関しては国の成立や立場も複雑です。詳しい内容はともかく、基本事項を頭に入れておいて損はないと思います。

VISA

台湾留学のためのビザは数種類あり、自分に都合の良いビザを選択します。

私は留学中に旅行で台湾を出るつもりだったので、停留ビザ(Multiple=何回も出入り可能)を申し込みました。オンラインフォームに色々入力してから台北駐日経済文化代表処の札幌事務所へ行きます。料金は1万円程で発行は数日でできました。

ビザ期限が90日だったので、途中台湾の内政部移民署で延長手続きをしました。延長のために大学から証明書が必要だったり、日数カウント方法(後述)がややこしいので日本できちんと確認してから出発することをお勧めします。

(台湾に入国した日から90日有効なビザですが、一度台湾の外に出ると日数カウントがリセットされ、再入国した日から90日間有効なビザとなり、ビザの延長手続きが可能な時期も遅くなります。あくまで私のビザに関する情報なので、最新情報は然るべき機関に問い合わせてください)

その他の準備

台湾大学に指定された形式の健康診断書の提出が必要でした。日本で通常受けるものとは異なるので、しっかり対応してくれる病院を探してください。

また、到着後に提出しなければならない書類が結構あります。できる限り日本で印刷やコピーをしていくと楽です。

台湾生活

台湾到着

諸事情により桃園空港に午前1時に到着、かつ初台湾で不安だったので、タクシー(Uber)で市内まで行きました。深夜到着でも空港で両替はできますし、台北市内へのバスも運航されていますが、SIMカードのお店が閉まっていたり、交通機関が限られたり、治安の面からも常識的な時間に到着するべきです。

到着して1週間以内に、キャンパスツアーやオリエンテーションが行われました。ツアーでは大学構内の見所を現地の学生が紹介してくれました。ここで一緒だった人に話しかけて友達を作ったりしました。私は調子に乗って英語のツアーに参加しましたが、日本語のツアーもあります。オリエンテーションは重要事項を伝えられるものでした。

生活準備

最初の3日間は日本の友人が来台し、観光がてら生活準備を手伝ってくれましたが、その後は台湾に友人が一人もおらず、助けてくれるはずのボランティアとも音信不通で最初はみじめな思いをしました。家具などは寮の目の前の特設売り場や、IKEAで揃えました。携帯やSIMはどうすれば良いのかわからず、最終的には授業で出会った韓国人に手伝ってもらって事なきを得ました。

お金について

その辺のご飯屋さんやドリンクスタンド、夜市では現金しか使えません。海外キャッシュカードは必須です。私は楽天銀行を利用しました。海外キャッシュカード対応ATMならどこでもお金がおろせますし、楽天側の引き出し手数料は無料です!ただコンビニATMなど、ものによっては1回あたり高額なATM利用料を取られるので気を付けてください。

私はMRTの駅によく設置されている國泰世華銀行を利用していました。ATM利用料なしで100ドルからおろせて便利です。

現金社会の台湾でも、チェーンのスーパーやパン屋さん、高いレストランや観光地ではクレジットカードが使えるので安心です。

インターネット

  • SIMカード

台北市内、大学構内共にWi-Fiが整備されているので、それだけでもインターネットは事足ります。そう思ってSIMを買わないでいたら、現地の電話番号がないと学生証がもらえないことが判明したので慌ててプリペイド式SIMカードを買いました。悠遊卡でレンタルバイクを利用する際にも現地の電話番号は必要なのでSIMはあった方がいいです。市内だと外国人が簡単に買えるプリペイドSIMを売っている店舗が限られているので、空港で買っておくのがいいと思います。

  • レンタルWi-Fi

私のスマホは上記のSIMが使えなかったので、ivideoという会社から月3000円で使い放題のWi-Fiを借りていました。値段も安く、受取や返却も便利で日本語のウェブサイトもあるのでお勧めです。電話に関しては、通話とSMS専用のガラケーを買って使いました。あまり電話する機会はありませんでしたが、SMS認証が必要な登録をする際には活躍しました。

  • 寮のインターネット環境

ロビーや公共エリアでは大学のWi-Fiが飛んでいますが、部屋にはありません。部屋は別にLANケーブルを使ってパソコンやルーターにインターネットを繋げる必要があります。

ルーターがあればパソコンだけでなく、スマホ等様々な機器でインターネットを使えるので持っていくと便利です。私はNECのAtermW300Pというルーターを使っていました。小さくて軽いのに、問題なく動画も見ることができるので購入の価値ありです。

住 居

私はShui-Yuan Dorm(台大水源舍區)という大学の寮に住んでいました。1人部屋です。シェアルームや、少人数で共有するキッチンがつくタイプの部屋も選択できます。

生活に必要な最低限のものはだいたい揃っていますが、自分で買い足す必要のあるものもあります。(下図参照)

寮にないものも新学期の時期は寮の前に特設会場が設置されるので簡単に手に入れられます。IKEAもバスで一本なので家具を揃えるのに苦労はしません。

  • 住まいの注意事項

・高湿度

夏も冬もタンスに除湿剤は必須です。そして定期的なタンスや部屋の換気をお勧めします。除湿器を借りることもできます。私はあまり着なかった服にカビが生えました。

・冬の室温

寮の部屋は北海道の家と違い防寒のことを1ミリも考慮していないので、冬は意外と部屋が寒いです。暑い時期に薄い布団を買って満足した私は12月から凍えはじめ、最終的に友人から布団を借りて残りの1カ月を生き延びました。マットレスも寮の前で売っている最安値の薄いものを買うと、寒い上に、床で寝ている気分になります。あれは単体で寝られるマットレスではありません。ケチらず厚めのものを買いましょう。

北投-地熱谷…登別の地獄谷に似ていますね。台北近郊には烏來,北投の二つの温泉があります。あまりの部屋の寒さに1月は2回も温泉へ行きました。

 

大学の設備

キャンパスは北大以上の広さです。寮から遠い場所にある社会科学院の建物へ行く際にはレンタルバイクを利用していました。

至る所に学食やコンビニがあり、食べるものには困りません。朝食、昼食、おやつ、夕飯全てを大学内で済ませられます。学生証を提示すると割引が受けられます。

勉強する環境も整っていました。図書館の地下にある自習室は24時間利用できます。また、計算及資訊網路中心も常時開放されており、パソコンとプリンターが使えました。

ご飯

基本的に外食です。寮や大学付近には公館夜市や多くのレストランがあり、食べるものには困りません。一食あたり40元~120元ほどで済ませられます。外食が面倒な時は寮の近くにあるセブンで済ませたり、カップ麺やパン、粉末スープを食べていました。

寮と台電大樓の間に頂好というスーパーがあり食材調達もできますが、1階の共同キッチンで料理するのが面倒なので自炊は一度もしませんでした。

豆花+湯圓‐台湾スイーツと言えばマンゴーかき氷ですが、冬は寒いのでかき氷よりも温かいスイーツがお勧めです。写真は豆花と湯圓というスイーツが合体したものです。豆花は日本の豆腐を甘いスープの中に入れたもので、タピオカなどのトッピングを入れて食べられることが多いです。冷たい豆花もあります。湯圓は中にゴマが入っていたりする団子です。冬至の日によく食べられるそうです。

交通機関

  • 台北市内

MRT(地下鉄)、バス、レンタルバイクが発達しており交通は便利です。タクシーも安いのでたまに利用していました。公共交通機関は悠遊卡(EasyCard)を利用します。学生証が悠遊卡になっていて、地下鉄代は安くなり、バスは学生割引が適用されます。

レンタルバイクはYoubikeとo-bikeの二種類あります。Youbikeは悠遊卡を利用して支払うことができますが、台湾の電話番号を登録してSMS認証する必要があるので注意です。 O-bikeは専用アプリをダウンロードして使います。どちらもバスやMRT乗るほどではないけれども遠いところに行く際に非常に便利でした。

台北市立動物園‐MRT利用で簡単に行く事ができ、たったの30元(学割料金)で上野動物園より少ない待ち時間でパンダが見られます。天気の悪い平日に行けば並びません。

  • 台北市外へ

新幹線(高鐵),長距離バス(客運)、電車(火車)を利用して遠出もできます。新幹線は速くて快適で日時によっては学割もあります。長距離バスも値段が安く、基本三列シートなので日本のものより快適に過ごせます。電車はあまり利用しませんでしたが、指定席が取れないと立ちっぱなしで、遅れることも多々あるそうです。

交友関係

初期段階で出会った日本人数名、その日本人友達から紹介してもらった言語交換相手3名、授業や友人の紹介で出会った友達数名が主な交友関係です。言語交換相手とはそれぞれ週1回大学や寮で言語交換し、週末は台北近郊を小旅行したりました。その他の友達とはたまにご飯を食べに行きました。

私は参加していませんが、台湾文化を体験したり、小旅行をする外国人留学生向けのイベントや、言語交換クラブや寮主催の言語交換相手募集のイベント、日台交流サークルがあるので、台湾人をはじめとする日本人以外の友達を作ったり言語交換相手を探す環境は整っています。

國立傳統藝術中心‐授業で知り合い仲良くなった友達と宜蘭へ日帰り旅行した際に行きました。台湾の文化や芸術に触れることができます。

トラブル

  • Student Volunteer と音信不通

留学生活を色々助けてくれるStudent Volunteerを申し込みましたが、連絡が一切来ず、こちらからのメールへの返信も来ませんでした。台湾大学の国際本部にも相談しましたが、学期始めの忙しい時期にメールしてしまったせいか、気づいてもらえず特に対応はありませんでした。渡航前や到着直後から聞きたい事、助けてほしいことが色々あると思うので、おかしいと思ったら早めに行動してはやめに解決するようにしましょう!

  • YouBike返し忘れ

レンタルバイクのYoubikeをうっかり返し忘れ、約24時間後にSMSの警告メールで気づきました。利用料1,500元を払い、悔しくて色んな所で笑い話にしていたら、ICLのパートナーがサービスセンターに交渉電話をしてくれ、1,400元返ってくることになりました。借りたものはしっかり返しましょう。

  • 退校&退寮手続き

トラブルではありませんが、帰国準備が意外と大変です。寮の敷金を返してもらうために銀行に行ったり、退校手続きのため大学内をあちこち回って手続きする必要があります。帰国前は最終課題や帰国準備で忙しいので計画的に行いましょう。(日曜日に帰国するのに土曜日にこれを始めて、オフィスが開いてない!どうしよう!となっている人を見ました。)

授 業

  • ECON 3007 Economic History 1: 3単位

外国人(確かアメリカ人)の先生が英語で行う授業でした。学生はほぼ留学生で、たまに台湾人がいるといった構成でした。日本人も一定数いました。内容はアジアを中心とした経済史で、古代から近代、中東、南アジア、東アジアと幅広かったです。

先生が一番前でひたすら説明するタイプの講義で、特に授業中に議論などはしませんでしたが。しかし学生一人一人の名前を覚えようと名前を聞き回ったり、先生がアプリを使って授業中に質問していたので、ゆるい交流はありました。授業に関連する文献を読んで書くグループレポート×7と中間試験、期末試験を総合して成績評価されます。

  • MBA5074 Leading Teams and Organizations:3単位

英語で行われた授業でした。学生のほとんどが留学生(ヨーロッパ中心)で、台湾人は少し、日本人は私一人でした。授業名の通り、チームや組織マネジメントについて、毎週テーマを変えながら学んでいく授業でした。

授業は学生によるその週の文献とケースの分析に関するプレゼンテーション、先生の解説、ディスカッションで構成されていました。時には熱い議論が交わされたり、ある時はゲームをしたり興味深い授業でした。

グループワークは主に二つあり、一つは自分の担当週のプレゼンとレポート、もう一つはで、実際にリーダーとして働いている人へインタビューして分析し、プレゼンとレポートを書くというものでした。その他にも授業の発言点、自分の見解を授業前に掲示板へ投稿、小テスト、最終レポートへの提案書など課題は盛りだくさんでした。

大変な授業でしたが、先生がとても親身な方で何とか諦めずに授業に出席し続けることができました。

  • LibEdu1064 Taiwan through the Lens of Its Museums:3単位

博物館を通して台湾や台湾文化を理解する授業です。博物館に行って台湾について楽しく学びましょう~という授業だと勝手に思い込んでいましたが、実際には歴史やアート、博物館に興味のある学生が集う授業で、今までこの類の勉強をしてこなかった私には面白くもあり、難しくもありました。

しかし今まで触れたことのない分野を勉強し、個人的には行かないような博物館に行く事で知見が広がりました。個人的には人権博物館の回を通して、台湾の政治や負の歴史(228事件、白色テロ)を学ぶ事ができたのが収穫でした。

そして、最終グループワークがとても良いものになりました。グループ内で幾度も激しい議論がなされ、時にはTAや先生も巻き込んで必死に課題を進めました。その結果メンバーの一人である台湾人とは、個人的によく遊ぶ仲になる事ができました。

景美人權文化園區‐授業の最終課題のため、実際に訪問しました。白色テロの舞台となった施設です。

  • General Chinese Language Course :3単位

名前の通り中国語の授業です。学期始めのテストで初級の一番上のクラスに振り分けられ、20人ほどで授業を受けていました。日本人は2人だけで、あとはだいたいヨーロッパの学生でした。こちらのクラスは文法や語法メインで、先生に当てられた時に中国語で回答する形でした。

私は専門科目との兼ね合いから夜(18:25-21:00)を選択しましたが、朝の授業も選択できます。日本人は朝授業を選ぶ人が多かったですが、後述のEnhancingも受講すると毎朝早起きになってしまうので、大変そうでした。

  • Chinese Enhancing Course:2単位

Generalを履修し、更に勉強したい人用の中国語コースで、時間帯は朝のみです。受講人数は20人ほどで半数近くが日本人でした。こちらは会話練習や、プレゼンテーションなど、Generalに比べて中国語を話す機会が多かったです。これが先生の違いによるものなのか、授業の性質の違いによるものなのかはわかりません。

また、GeneralもEnhancingも授業中は中国語しか話せません。先生は中国語で中国語を説明し、学生も中国語で質問します。最初はかなり大変でしたが、今思えば良い練習になったと思います。

  • Service Learning- International Companions for Learning (ICL)

単位が付与されるボランティア活動です。台湾全土の小中学校と台湾大学をSkypeで繋げて国際交流します。

日本を紹介するpptを作り、週1回小学生と英語で交流していました。言語の問題がある時は台湾人パートナーが通訳してくれます。また希望者は実際に学校を訪問するツアーに参加もできます。(旅費は無料!)

活動を通して台湾だけではなく、日本についても新たな発見がありました。また、ご飯を食べに行ったり、困った時に助けてくれるなど、パートナーと良い関係を築けたので、参加してよかったなと思います。

(週2の活動で忙しかったり、パートナーとうまくいかなかったり、生徒が全然話を聞いてくれないなど大変そうな人もいたので、良し悪しは人によるところがあります)

ICLの小学校訪問ツアーで屏東へ行きました。原住民文化教育に力を入れている小学校で、文化体験ができました。絶対自分では行けないので良い経験でした。

留学の総括

台湾留学を振り返ると、たった4カ月間の留学ながら多くを学び、様々な体験をする事ができた非常に満足度の高い留学でした。例を挙げると枚挙にいとまがありませんが、ここでは私が台湾留学ならではと感じた部分を印象的なエピソードを加えて紹介します。

日本を見つめなおす

どこの国へ留学しても、多かれ少なかれ他国の友人との交流を通して自国について見つめ直す機会はあります。しかし、両国間の関係の親密さや、日本への関心が高い分、台湾ではより深くできたかなと思います。

例えば、博物館の授業では、歴史的出来事を取り扱うことも多かったのですが、「日本人の学生、これ/この人知っている?」としばしば聞かれました。(わからないことも多く、しょっちゅう後から調べていました。)

また、その授業の延長で友達と話していている時に「日本では台湾の慰安婦問題はどのように扱われているの?韓国と違いはあるの?」などかなり突っ込んだところまで聞かれることもありました。このような敏感な話題は答えるのが難しく、困る事もありましたが、絶対に自分一人ではこのような視点で日本を見ることはなかったので良い経験となりました。

台湾人との交流

日本に興味のある台湾人の友人を作りやすい環境で、彼らと深い関係を築くことができました。

友人の多くは将来日本の大学院への進学や日本での就職を希望するレベルで、日本語が流暢でした。そのため言語交換で彼らが日本語を話す時には台湾社会の問題といった、高度な内容が話題になる事もありました。私にとっては、言語交換がただの雑談でなく、台湾をより深く学ぶ場となったので非常に有意義な時間を過ごすことができました。(もちろん普通の楽しい雑談もたくさんしました!笑)

そして、台湾では政治や社会の話題に対してオープンな人が多いという印象を受けました。自分の意見を表明する場としてのデモや街中の訴えが比較的多く、友人と話していても、今の政府の悪い点をはっきり指摘し、私が疑問を抱いた時には臆せず答えてくれました。これらの経験も台湾について理解する手助けをしてくれたと思います。

中正紀念堂‐この日はLGBTパレードのため、近くの大きな道路は歩行者天国のようになっていました。このように、自分達の主張を訴えるデモやパレードが多く感じました。

二段階留学

冒頭にも述べた通り、私は半期間のスウェーデン留学を経て今回台湾へ留学しました。ここではそのメリット・デメリットについて述べたいと思います。

デメリット

  • 費用がかさむ
  • 手間がかかる
  • 期間の短さ

最初の二つは言うまでもなく、負担になります。留学するにはお金や準備を注がなければなりません。期間についても、大抵の人が半期+半期、長くても1年+半期で、どちらかの国は短くなると思います。半期でも自分次第で濃い時間を過ごすことはできますが、やはり1年どっぷりその国に浸かれる人がうらやましくなります。

メリット

  • 心理的な余裕

初めての留学は、不安に打ち勝ち、新たな環境に慣れる事からのスタートでした。今回の留学も全く不安がなかったわけではありませんが、「前も何とかなったから、今回もどうにかなるだろう」という余裕が生まれ、留学に集中できました。またトラブルが起きた際も、前回の留学で身につけたタフさとトラブル処理能力を発揮し乗り越えることができました。

授業に関しては、日本とは違うスタイルの授業(特にディスカッションでの欧米系のガツガツ来る感覚)もわかっていたので、あまり臆せず授業に臨むことができました。

  • 前回の反省を活かせる

スウェーデン留学を終え、日本で落ち着いて留学を振り返り、多くの反省点が浮かびました。最初から全力出して物事進めるべきだった。もっと現地の学生と交流したかった…など。 私はこの反省を生かしてこれら全てを台湾で実行しました。その結果半学期という短い時間ながら充実した留学生活を過ごすことができました。

1年間の留学でも前期と後期の間で同じように振り返り、次に生かすことは可能(というよりするべき)です。しかし、一度完全に留学を終え帰国し、腰を据えて反省や将来の進路を熟考してから”後半戦”を開始できるという点で2段階留学は優れているなと感じました。

  • 異なる文化

過去に「3つの軸」を持つ大切さを主張する文章に出会ったことがあります。

物を支える三脚の脚が2本だとしたら安定感を欠き倒れてしまうが、もう1本脚を加えることで安定感を増す。思考についても同じで、2つの軸だとどちらか片方の思考に倒れてしまう可能性があるが、もう一つの軸を加えることで、どれか一つに極端に偏る事を防ぐといった内容です。

この考えは留学に関しても適用できると思います。海外留学すると「A国は○○で、日本は××だ」と考えるようになりがちです。そして二国の対比を経て、「A国/日本の方が良い」といった風にどちらかに傾くことも時にはあります。しかし、二段階留学は「A国は○○で、B国は△△、日本は××。A国が良いと思っていたけど、B国の考え方も面白いな」というバランスの取れた考え方をする手助けをしてくれます。

もちろん、二段階留学をしたからと言って様々な視点を持ったバランスの取れた人間になれるわけではありません。留学後も様々な人との交流を通して視野を広げる必要がありますが、二段階留学はそれを身をもって気づかせてくれる経験となると思います。


[カテゴリー]アジア[まとめ]台湾: 国立台湾大学に戻る。

PAGE TOP