エディンバラ留学体験記 経済学部4年 多田野真仁
1.はじめに(留学概要と動機)
2024年9月初めから2025年5月末まで、スコットランドのエディンバラに滞在し、エディンバラ大学で環境経済学および資源マネジメントについて学びました。経済的な視点から環境やエネルギーについて理解を深めたいと考えており、特に再生可能エネルギー、なかでも洋上風力分野の実績が豊富な英国・スコットランドを滞在先として選びました。また、エディンバラ大学は北大の協定校の中でも英語要件が最も厳しかったため、ここを目指せば他校への道も開けるだろうと考え、志望を決めました。学部生であるためエネルギー政策や高度な環境経済学を学べるとは思っていませんでしたが、北大の経済学部では得られない知識を吸収することを目標に留学を決意しました。
2.留学準備(出発前の手続き・準備・不安)
- 語学:2年生の春から自主的に勉強していました。
- スピーキング:TOEFLや英検の面接練習に加え、オンライン英会話、独り言、AIとの会話などに取り組んでいました。とにかくすらすら言えるまで繰り返し練習していました。最初は全くできませんでしたが、徐々にできるようになります。
- リスニング:TOEFLの過去問を解いた後にシャドーイングをしていました。ストレスが溜まる方法ではありますがスクリプトを見ずにシャドーイングできるまで練習しました。5分の音源に対して2時間かかったこともありましたが、振り返ればとても効果があったと思います。また、移動中や寝る前、家事をやっている時などはpodcastを聴くようにしていました。ニュースだけではなく自分が興味ある分野の番組やエンタメ系など幅広く聴くようにしていました。
- ライティング:TOEFLやIELTS受験のために勉強しました。過去問に対して答えを書いた後、chatgptに添削させてから模範解答を書かせ、それを覚えるようにしていました。模範解答のレベルも自分で設定できるので自分に合ったレベルで番協できました。
- リーディング:単語をある程度覚えてからはとにかく過去問を解き、完璧に理解できるまで何度も読み返していました。
- 渡航前の英語力は英検1級、IELTS7.0でした。
- ビザ:渡航直前まで学生会議でアメリカにいたため通常の審査では間に合わず、プライオリティビザというものを使い通常より早く審査してもらいました。10万円くらいかかったのでビザ申請はとにかく早くやったほうがいいと思います。
- 住居・大学の寮に住んでいました。受け入れ許可の後案内されます。留学生は基本的に全員どこかの寮には入れます。
- 保険:北大指定の保険に加え、ビザを取得する人はNHSという保険に加入する必要があります。
- 費用 正直ちゃんとは計算していませんが月25万円ほど(家賃15万円、食費その他10万円程度)かかっていました。
- エディンバラ大学からはひとつひとつの手続きについての具体的な指示がメールで送られていたほか、希望者は担当者とオンラインで相談が可能など、思ったよりは充実したサポートがあるように感じました。
- 現地に到着してからの諸手続き(入寮手続きや在留カードの受け取りなど)がスムーズに行くか心配でしたが、特に問題なく手続きできたので安心しました。
3. 現地生活(住居・生活環境・交通・物価)
- 留学中は他の多くの学生がそうであるようにフラットと呼ばれるドミトリーで4人の学生と一緒に暮らしていました。大学の授業を受けたあとはハンドボール部での練習やJapan societyという国際交流サークルでの活動のほか、友人とパブに行ったりしていました。物価は日本の約2倍で何を買うにも高かった記憶があります。食料品を買うスーパーマーケットは市内の至る所にあるので困ることはないと思います。交通手段についてもバスやトラムが非常に発達しており、時間もそれなりに正確なので非常に便利です。半年以上の滞在であれば学生は無料でバスに乗車できます(申請必要)。
4. 大学・授業・研究活動
環境・エネルギー分野について学びたかったため、環境経済学や資源マネジメントといった経済系の授業に加えて気候正義のような社会学系の授業も履修しました。
基本的に一つの授業は①講義②チュートリアルの二つで構成されています。講義では日本の大学と同じように教授が一方的に説明を行い、チュートリアルでは少人数のグループでディスカッションを行います。授業そのものの難易度の高さに加え、予習で読まなければならない文献が膨大であったため、ネイティブ以外の学生にとっては相当ストレスになると思います。普通に読んでいてはまず終わらないため、プライドを捨ててchatgptに投げるなどしてなんとかやりくりしていました。授業に関しては終わるとすぐ帰ってしまう学生が大半なのであまり友達はできませんでした。一方、部活やjapan societyでは共に過ごす時間も多く、たくさんの友人ができ、とても充実した時間を過ごすことができました。
時間割は以下の通りです。授業時間だけをみるとかなり余裕がありましたが、授業の予習復習(膨大なリーディング)およびチュートリアルの準備(別のリーディング)をこなす必要があるため意外と時間はありませんでした。授業以外では月曜・木曜・金曜の夜に部活の練習があったほか、週末は基本的にリーグ戦がありました。また、課外活動として学生会議の運営をしていたこともあり、留学中は基本的にずっと忙しかったです。エディンバラ大学の図書館は24時間空いているためどうしても終わらない時には朝まで勉強することもありました。
スケジュールについて、留学前から帰国まで簡単にまとめます。
2年生5月: 英語の勉強を始める。毎年交換留学募集が7月ごろから始まりますが、申請する時点で英語スコアを持っておく必要があるため、できる限り早く勉強を始めたほうが良いです。
2年生9月:TOEFL受験、交換留学申請
2年生2月:学内推薦合格
3年生4月:エディンバラ大学から受け入れ許可が届く
3年生6月:ビザ申請書類記入開始、かなりめんどくさいので余裕を持ってやるといいです。支払いもあるのですがうまくいかなくて焦ったのでとにかく早くやりましょう。
3年生8月:学生会議の関係で3週間アメリカへ。イギリスへのビザ申請がギリギリになったせいで東京のビザセンターの予約ができず大阪に行きました。
3年生9月:渡航
3年生10月:授業開始
3年生12月:1学期終了、友達とポーランドへ旅行
3年生1月:授業再開
3年生4月:2学期終了, テスト期間
3年生5月:友達とスペイン・ポルトガルへ旅行
3年生5月末:帰国
留学中のイベント等は後述します。
5. 言語とコミュニケーション
ほとんどがイギリス人もしくは欧米からの留学生だったので授業で他の言語を聞く機会はあまりありませんでした。恵まれていると思う方もいるかもしれませんが、初めはとにかく言っていることが分からず、スピーキングを試す機会すらありませんでした。徐々に慣れてはきますがそれでもネイティブの若者が話す英語を完璧に理解できるようにはなりませんでした。ただ、徐々にリスニングができるようになるのは事実で、それに伴って話す機会も増え、最終的にはややスピーキングも伸びたと思います。
6. 留学中の印象的な出来事・活動
授業も印象的でしたが部活やサークル、友人との交流が何よりも印象に残っています。ハンドボール部に所属していたのですが、レギュラーとして試合に出ることができ、仲間と毎週リーグ戦を戦ったことが印象に残っています。うまくいかない時期もありましたが最終的にはスコットランドリーグで3位という成績を残すことができ非常に充実した時間を過ごすことができました。また、Japan societyではさまざまな国の友人を作ることができ、仲の良いグループでカクテルを作ってパーティーをしたりパブツアーをしたりと忘れられない思い出がたくさんできました。学外では、国際会議の実行委員を務め、プログラムの立案から資金調達に至るまでを学生のみで行い、日本とアメリカの実行委員で毎日のように議論しながら仕事を進めていました。日本とアメリカそしてイギリスの3つのタイムゾーンでの協働は大変でしたが、日本語を話すいいリラックスタイムにもなっていました。
7. 留学を通じて得たこと(学び・成長・今後の展望)
留学を通じて、とにかく自分の物足りなさを痛感しました。それなりに自信があった英語力も使い物にならず、ディスカッションの授業ではあまり貢献できなかったほか、日常のさまざまな場面において、周囲の人が自分だけに手加減してくれていることに気づくことがあり(それ自体は優しさですが)とても悔しかったのを覚えています。留学を終えて逆にもっと勉強しなければと思うようになりました。その点では、自分の物足りなさを自覚してやる気を出す良いきっかけだったと思います。留学中は日本に帰りたいと思うこともありましたが、いざ終えてみるとまたどこかのタイミングで海外で学んだり働きたいと思うようになりました。自分はエネルギーに興味があるのでその分野で海外と関わりを持ちながら働きたいと思っています。
8. これから留学を考える人へのメッセージ
海外で自立して生活し、現地の学生と同じ条件で学ぶことはハードルが高く怖いと思う方もいるかもしれませんが、行ってしまえばどうにでもなると思います。失敗しても一年で帰れるので気負わずに行ってみるといいと思います。また、現地での生活について、マインド面はさておき、英語力を極限まで上げておくことが留学を成功させる重要な要素だと思います。TOEFLやIIELTSのような資格試験レベルでは全く足りないので日頃からオンライン英会話をしたり興味のある分野のポッドキャストを聞いたりして常に英語で生活することに慣れておくことが大事だと思います。特にリスニングはやりすぎることは絶対にないので特に力を入れるといいと思います。十分過ぎるほど色々なことを吸収できましたが、もっと英語量があればまた違っただろうなと思うことは何度もありました。ただ、この留学生活で得た経験は全てかけがえのないものであり一生忘れることはないと思います。少しでも迷っている方はぜひ挑戦してみて欲しいです。








