Trans Japan第4巻序言 (大角編集長 Vol.4)

留学コラム

『Trans Japan第4弾』は、「北海道から日本列島を超えて世界へ」雄飛する留学体験記です。大学生発、北海道発、ボーダーレスの3つの特徴があります。
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第1に大学生発。本書は経験者の目線で執筆・編集されています。留学・語学業者によるバラ色の宣伝パンフレットや大学・行政による無難な公式見解ではありません。個々人の喜怒哀楽が込められています。
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第2に北海道発。首都圏のように富裕層や多国籍企業・帰国子女が集中するわけではありませんし、総合大学では語学・国際教育に大きな優位はありません。しかし、今ここから世界に挑戦する私たちこそ、ごく普通の大学生や地域を勇気づけられるはずです。
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第3にボーダーレス。英語・欧米偏重を超え、五大陸を網羅します。現場の学生の方が「いま何が一番面白いか」に敏感です。業者・大学・行政の既存パターンの一歩先を行き、新興国や二段階留学、インターンシップ等、新領域を開拓します。
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『第4弾』は『第1弾』(2002年、142p)、『第2弾』(2004年、186p)、『第3弾』(2007年、288p)を継承し、多様性も分量もさらにパワーアップしました。『第3弾』では、途上国が先進国をページ数で上回りました。『第4弾』では次の3点は新機軸でしょう。第1に留学の入口として、国内での国際交流や短期の海外体験を強調しました。第2に二段階留学を提唱します。過去の留学例の共通点ですが、語学力や国際経験で不利な地方大生の挽回策です。第3に留学の出口として、大学院留学や留学 OBOG のコメントも集めました。
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この Trans Japan を通じて、実際に留学経験した学生の生の声を届けることで、未来に多くの国際人を輩出するきっかけになるよう願っています。留学を考えている人への身近な応援ブックとしてだけではなく、世界のことを知りたいと思っている人に学生時代の挑戦を見つけてほしいと思います。学生の今だからこそ、固定観念にとらわれず一歩を踏み出すことで、未来の自分が大きく変わるかもしれません。
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皆さんの心に残る一冊になることを祈っています。
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北大留学応援プロジェクト代表・『Trans Japan 第 4 弾』編集長
北海道大学・大学院経済学研究科・修士課程 2 年
大角 菜穂