フィリピン デラサール大学 交換留学(千葉 新着 2017)
経済学部経営学科 3 年 千葉舜平
留学先
フィリピン,デラサール大学(交換留学)
期間
2016年9月2日~2017年4月23日(約 8 ヶ月)
動機
東南アジアが好きだったのと、途上国の開発に関心があった。
費用
往復航空券(新千歳→東京→マニラ, マニラ→東京→新千歳):7.5万円
生活費(家賃, 水道光熱費, 食費, 交際費込み):8万円/月
留学保険(傷害保険, 拉致保険):10万円
予防接種, 健康診断:4万円
ビザ:6万円
旅行費:40万円
新渡戸カレッジ奨学金:10.5万円/月
*1ペソ=2.2円で換算
留学途中で最大 1 ペソ=2.02円まで円高が進んだ。
一週間のスケジュール
1ターム目
月 AM 授業予習 PM Marketing Management
火 AM Economic Development PM 課題
水 AM 授業予習 PM Marketing Management
木 AM Economic Development PM 課題
金 AM Basic Filipino PM 飲み
土 AM まったり PM 課題
日 AM まったり PM サッカー
2ターム目
月 AM まったり PM 予習,課題
火 AM Human Behavior PM 復習
水 AM Philippine Development PM Macro Economics, Fit Teams
木 AM Human Behavior PM 復習
金 AM Philippine Development PM Macro Economics, 飲み
土 AM まったり PM 課題
日 AM 課題 PM サッカー
留学前後のスケジュール
留学前
2016年
9月 留学決意
10月 高井先生に相談
11月 IELTS 受験
12月 IELTS, TOEIC 受験
2017年
2月 交換留学申請
4月 交換留学面接
6月 交換留学許可下りる
8月 航空券購入
9月 出国
留学後
2018年
4月 帰国
8,9月 インターン参加予定
2019年2月 就活開始予定
目次
1, はじめに
2, 予防接種について
3, ビザについて
4, 治安について
5, 携帯電話について
6, 食事について
7, 住居について
8, 授業について
9, 課外活動について
10, 留学を終えて
1, はじめに
私の留学準備は本当にどたばたの連続であった。入学時点で何となく留学に行きたいとは思っていたものの特にそれに向けた準備は特にせず、1 年から 2 年の夏休みまでは部活、バイト、遊びに没頭していた。2 年の夏休みにタイ旅行に行き、東南アジアの魅力に取り付かれ、東南アジアに住んで勉強してみたいと思い交換留学を決意。しかし、交換留学についての情報収集を怠っていた私は何をすれば良いのか全く分からず、とりあえず国際本部に相談に行った。そこで国際本部の石黒さんに、過去に何人もの経済学部生を留学に送り出してきたという高井先生を紹介して頂き、後日先生のお話を伺った上でフィリピンのデラサール大学に行きたいと思うようになった。しかし、当時の私は英語力を証明するスコアを全く持っていなかったので、1 ヶ月後が締め切りであった交換留学の一次募集には間に合わず申請することができなかった。その後 1,2 ヶ月間、IELTS と TOEIC の為に英語の勉強を頑張りなんとか最低限のスコアを獲得し、交換留学の申請を行えた。(IELTS6.0, TOEIC 755))交換留学の面接では志望動機の甘さを試験管の方に激しく指摘され、不合格を覚悟した。
しかし、何とか志望理由書の再提出を条件に合格を頂き学内面接をパス。今度は 6 月中頃、デラサール大学に志望理由書や履修希望科目の提出を行ってデラサールからの入学許可証を待つことに。しかし、デラサールからの返事が待てど待てど来ない。何度もEmaiを送って確認したが全く返信をしてくれない。入学許可証に交換留学生向けのオリエンテーションや授業開始の日程が書かれているため入学許可証無しでは留学準備が進められない。そのため入学許可証が届かないのは死活問題であった。(発展途上国の大特有の現象らしく過去にインドに交換留学に行かれた方もそうであったらしい)そこで、国際本部の石黒さんにデラサール大学に電話して頂き催促してもらった。その 1 週間後にようやくデラサール大学から入学許可証が届いた。この時すでに 8 月頭でオリエンテーションまで1か月を切っていた。その後、急いで航空券の予約をし、何とか出発できる見込みが立った。途上国に留学する場合には思い通りに準備が進まないことが多いので早め早めに準備を進めることをおすすめする。[目次]
[留学前準備]
2, 予防接種について
自分でインターネット調べた情報や高井先生、医者のアドバイスを基に破傷風と A 型肝炎の予防接種を行った。破傷風に関しては幼少の頃に予防接種を受けていれば 1 回の接種で大丈夫らしいが、A 型肝炎は最低 2 回の接種が必要だったので、留学直前になって慌てることの無いよう早め早めに接種を開始することをおすすめする。デラサール大学に来ていた他の交換留学生は狂犬病や B 型肝炎など接種可能なワクチンを全て接種してきた人もいれば、全く予防接種を行っていない人など様々だった。[目次]
3, ビザについて
これは私が最も困惑した問題の1つであった。いろいろなサイトを確認したが交換留学に行く場合どのビザを申請すれば良いのかよく分からなかった。
結論からいうと、フィリピンに交換留学に行く場合、事前に特別なビザの準備は必要ない。フィリピンに交換留学をする場合には観光ビザ(初回1ヶ月無料)で入国し、現地に着き次第、大学を通して SSP という就学用のビザを申請することになる。(1ターム,2 万円ほど)
観光ビザは2か月以降滞在する場合には入国管理局に行き、1月ごとにお金を払って延長を申請しなければならない。(1 ヶ月 6000 円くらいで、何か月分かまとめて申請することもできる。)
観光ビザの延長にはちょっとした裏技があり、一度フィリピン国外に出てフィリピンに戻ってくるとカウントがリセットされてまた 30 日間フィリピンに滞在できるようになる。そのため、交換留学生たちの中には少し長い休みがあると積極的に海外旅行に出かけている者も多くいた。[目次]
[留学中]
4, 治安について
出発前はデラサール大学のあるマニラの治安は世界最悪だという噂を聞いていたので少し怖かったのだが、いざ行ってみると思ったよりもはるかに治安は良かった。ドゥテルテが大統領になり犯罪の取り締まりを強化しだしてから劇的に治安が良くなったとか。私は留学中、一度も身の危険を感じることは無かった。[目次]
5, 携帯電話について
現地で sim free のスマートフォンを購入し、それにお金をチャージして利用していた。チャージはコンビニなどの店に行って専用のカードを買うか、店員にお願いしてやってもらうことができる。スマートフォンは本体が 8000 円、月額利用額は 1000 円ほどだったが、どちらもこれより抑えることも可能。[目次]
6, 食事について
デラサール大学周辺にはマクドナルドやケンタッキーなどのファーストフード店や様々なフィリピン料理レストランがあり食事に困ることは無かった。それほど美味しくはないが日本食レストランも近くにある。また、マカティというマニラの中心部まで行けば丸亀製麺や一風堂など日本食レストランのチェーンも数多くあるため日本食が恋しくて仕方なくなることは無かった。ただ、フィリピンのレストランで出る料理は全体的に野菜が少ないため、自炊をする際は野菜を多めに摂取することを心がけていた。[目次]
7,住居について
事前にデラサール大学からメールで送られてくる Housing Accommodation を基に希望すれば大学の所有するコンドやマンションに住むことができる。私の場合はその仕組みを利用せず、過去に北大からデラサールに行った先輩たちがこぞって勧めていたグランドタワーという大学から徒歩5分くらいのコンドに住みたいと思い、インターネットのサイトを通じてオーナーを探して連絡を取った。そのコンドでは部屋には WIFI が無いが7階の自習スペースや、1階にあるカフェでは WIFI が使用できるということだったので不便はあるだろうが何とかなるだろうと思い居住を決意。しかし、実際には WIFI が度々故障する、通信速度が非常に遅い、自習室とカフェが夜遅くには閉まってしまうため課題の締め切り間際には非常に困るなど多くの問題が発生した。コンドの部屋自体もゴキブリが大量に発生するなど、お世辞にもきれいであるとは言えなかった。過去に北大の先輩が行かれていた時からはかなり時間が経っているということを考慮し忘れていて最新の情報収集を怠っていた私のミスである。
そこで、留学開始から 3 月後にデラサール大学が1フロアを所有している WH Taft という大学から徒歩 1 分の所にあるマンションに移住することを決めた。このマンションは完成してから1年ほどしか経っておらず、部屋が非常にきれいであったし大きさも十二分であった。また、毎日清掃員の方がゴミの回収に来てくれる、週一回部屋のクリーニングをしてくれ、バスタオルを新しいものに変えてくれるなど様々なサービスが付いていた。さらに、各部屋には通信速度の速い WIFI が付いており非情に快適であった。(フィリピンの WIFI は通信速度が非常に遅いものが多いため、通信速度の速い WIFI は本当に貴重であった)他の留学生や現地の学生の話も色々聞いたが、現時点ではデラサール大学周辺のコンドやマンションの中ではベストであると思うので、もしデラサール大学に交換留学に来る方がいればこのマンションをおすすめしたい。
グランドタワー(部屋とオーナーによって異なるため私の場合を紹介)
家賃 44000 円(水道光熱費込)家具,キッチン用具付き, 温水シャワー, プール, ジム完備部屋に WIFI 無いが1階のカフェと 7 階の自習スペースでは一応 WIFI 使用可能
WH TAFT
家賃 47000 円(水道光熱費別)家具,キッチン用具付き, 温水シャワー
プール完備, 部屋に WIFI あり[目次]
8, 授業について
交換留学の申請の際に履修予定科目の提出を行うのだが、残念ながらデラサール大学ではその希望が叶う可能性は低い。交換留学生が履修登録をするよりも先に正規学生が既に履修登録を済ませており、空いている授業しか履修することができないからだ。また、デラサール大学のホームページには授業名は記載されているものの、どの学期にどの授業が開講されるかまでは記載されておらず、希望した授業が開講される保証はない。そのため、現地
到着後に私を含めたほとんどの交換留学生は履修計画の作成し直しを強いられた。
以下では私の履修した授業について簡単に説明する。
1 ターム目
1, Marketing management, 3 単位
マーケティングの授業。事前に教授が Face book にアップする Power point の内容に沿って授業が行われる。難易度的には 2 年生の時に受けた企業論 1 と同じ程度であった。
成績評価は出席、授業の最後に行われる小テスト、中間レポート×4、中間テスト、期末レポート、期末テスト、グループレゼンテーション×3を基に行われた。
2,Economic Development, 3 単位
開発経済学の授業。留学に行く前に日本で受けた開発経済学の授業は理論が中心でテストも計算問題が中心だったが、デラサール大学の授業は理論よりも実際に今世界で起きている問題などを中心に取り上げており、日本の開発経済学の授業とは大きく異なっていた。また、フィールドワークでスラム街に行き、スラム街に住む方々にアンケートを行い、そのアンケートで得られたデータを基にグループで簡単な研究を行うなど日本では経験できないことを経験できる良い授業であった。成績評価は出席、中間レポート×4、中間テスト、研究の内容とそのプレゼン、期末テストで行われた。
3, Basic Filipino, 3 単位
タガログ語の授業。基本的な文法や単語、挨拶などを学ぶ。難易度的には中 1 英語のタガログ語バージョンみたいな感じで比較的楽しく授業を受けることができた。成績評価は出
席、中間テスト、タガロク語でのプレゼンテーション×2、最終課題を基に行われた。
2 ターム目
1, Philippine Development, 3 単位
フィリピンの開発に関する問題を取り扱い、内容は政治、経済、歴史など多岐に及んだ。授業中に出されたお題に対して討論する機会も数回あり、様々な意見を聞くことができ良い経験となった。成績評価は出席、授業中のフィードバック、討論、中間テスト、期末レポートを基に行われた。
2, Macro Economics, 3 単位
マクロ経済学の授業。内容は 2 年生の頃に履修していたマクロ経済学の授業と被るところも多かったので、それほど苦ではなかったが、英語での授業と言うこともあり計算問題についていくのが大変だった。成績評価は出席、Reflection paper×2、小テスト×2、中間テスト、期末テスト、期末レポートを基に行われた。
3, Human Behavior,3 単位
組織の中における人間行動の授業。教授が Face book にアップした資料を基に授業が行
われた。内容が面白かったのに加え、授業内で授業の内容に関するアクティビティもたまに行われたため、非常に楽しむことができた。成績評価は出席、Reflection Paper×1、個人レポート×2、小テスト×3、最終レポート、最終プレゼンで行われた。
4, Fit Teams, 2 単位体育の授業。私の選択したクラスではバレーボールを行った。わいわいとした雰囲気で行われており友達も何人かでき、非常に楽しめた。単位数に余裕があれば、座学だけではなく体育の授業も取ることをおすすめしたい。[目次]
9, 課外活動について
私はマニラを拠点に活動する某日本人サッカーチームに所属した。毎週末マカティ付近で試合があり、本気でサッカーをすることができたので楽しかった。また、試合後には社会人の方に食事に連れて行ってもらい、様々な話を聞かせて頂くなど非常に貴重な経験ができた。
この経験を来たる就職活動に活かしたいと思う。[目次]
10, 旅行について
上でも述べたが、ビザの延長費を払うのを避けるため多くの交換留学生達は長期の休みの度にフィリピン国外へ旅行に出かけていた。私も例外ではなく、様々な国へ旅行に行ったのでいくつかこの場を借りて簡単に私なりの感想の述べさせてもらう。
1,ベトナム
ハノイ
昔の風情残る観光都市。食事が美味しく、街もマニラに比べれば圧倒的に綺麗。
ただ、モーターバイクが多く渋滞や大気汚染の問題はあると感じた。
ホーチミン
ハノイが観光都市なのに対し、ホーチミンは商業都市という印象。公共交通機関の整備はいまいちだが、インフラの整備はマニラよりもはるかに進んでいると感じた。
2,マレーシアコタキナバル
マレー系の中国人が多くいた。街やレストランもどこか中国を思わせる物があった。近くにはビーチもあるが、フィリピンのビーチの方が綺麗だった。
3,ブルネイ
オイルマネーで成っている国。厳格なイスラム国家で豚肉やアルコール飲料をレストランで提供することが禁止されている、医療費や公立学校の授業料が無償で提供されているなど他の東南アジア諸国とは一線を画しており非常に面白かった。治安も今まで言った東南アジアの国の中で一番良かった。
4,台湾
台北
快適。これにつきる。今まで、十数カ国に旅行に行ったがどの国よりも圧倒的に過ごしやすかった。物価も安い。気候も食事もインフラのどれもが素晴らしかった。[目次]
11, 留学を終えて
フィリピン留学では英語力や専門科目の知識を身につけただけでなく、様々なことに対処する能力も身につき、一人の人間として成長できたと実感している。フィリピンは言語、触れあう人の性格、インフラ環境など様々な面が日本とは異なっており慣れるまでは様々な問題やイライラがあった。それでも、その問題を一つ一つ乗り越えていくことで成長することができたと思う。もし、途上国に留学することを考えている方がいたら先進国では学べないことを多く学べると思うので是非ともおすすめしたい。また物価が非常に安いため、先進国で暮らすよりも高い QOL を手にすることも可能かもしれないと感じた。
最後に、今回の留学に際して多くのサポートを頂いた国際本部の石黒さん、経済学部教務の三上さん、担当教諭の高井准教授にこの場を借りて謝辞を述べたい。