ヴェリコタルノヴォ大学留学体験記 経済学部4年 成瀬健一郎

スラブ・アフリカ, ヨーロッパ


1.留学先・期間

ブルガリア・ヴェリコタルノヴォ大学サマーセミナー
ВЕЛИКОТЪРНОВСКИ УНИВЕРСИТЕТ “СВ. СВ. КИРИЛ И МЕТОДИЙ”

ST. CYRIL AND ST. METHODIUS UNIVERSITY OF VELIKO TURNOVO, BULGARIA

2024年7月15日から8月4日


2. 志望動機

交換留学でのソフィア大学への留学中、夏季休暇期間にブルガリア語と文化を学ぶセミナーが開催されること、駐日大使館の奨学金があることを知った。

滞在中に学んだブルガリア語力をさらに伸ばし、ブルガリアの歌謡や舞踊についても学びたいと考えていたため絶好の機会であると考え、応募した。


3.応募方法・費用

4月ごろブルガリア大使館へのメールで奨学金を応募、その後承認された。当初はソフィア大学のサマーセミナーを希望していたが、奨学金枠の関係でヴェリコタルノヴォ大学が割り当てられた

プログラム参加費は全学奨学金で賄われるが、現地までの交通費のみ自己負担となる。

イスタンブールから夜行列車、もしくは首都ソフィアからバスないし列車 渡航費としては10万円前後が目安。



4.スケジュール(準備から帰国まで、旅行等の重要イベントも)

開講前日に入寮、開講日にクラス分けのテストがあり、即日クラス分けされる。2週間の間は学内で講義があった。講義最終日にテストがありそれの結果でCEFRレベルを証明する修了証が渡された。

その後希望者が黒海沿岸のアルベナへ移動、ホテルに滞在し、最終日にヴェリコタルノヴォに帰着、解散

その後帰国。


5.1週間の時間割(授業と課外活動、自習・余暇等も)

平日午前中に語学の講義、午後に任意参加の歌やダンスのレッスンがあった。夕食後はブルガリア映画の鑑賞やプロの歌や踊りをみる機会があった。

 土曜日にエクスカーションがり、日曜は休みである。


6.授業

語学の講義は大学オリジナルのテキストを使ってすすめられた。予習は求められなかったが、その日習った単語や練習問題は復習する必要がある。テキストの内容は4技能がバランスよく学べるものであり、ペアワークや聞き取りなども織り交ぜながらの授業であった。


7.課外活動・友人

日本からは東京の大学から2人、北大から2人、官庁から1人の参加であった。年齢層はまさに老若男女といったところで、日韓中台から米国まで幅広く集まっていた。特に仲良くしていただいたのはポーランド語を研究されている台北大学の教授の方だった。毒舌な人ではあったが、食事を一緒に食べるなど一緒に楽しく過ごすことができた。ブルガリアに限らず世界各国の人と交流し、様々な文化や風習を知ることができたのもこのセミナーの良いところである。


8.住居・食事・事件

大学敷地内に寮があり、そこで2から3人の相部屋であった。だいたい出身国同士でまとまっており、東京の大学生と2人部屋であった。比較的新しめの建物であったので部屋の中もきれいで整っていた。部屋には冷房の設備はなく、扇風機のみであったが、朝晩は冷え込むのでぎりぎり耐えることができた。猫が何匹かいてとてもかわいい。

食事は毎食提供された。内容は写真の通り、メインとパンとサラダ、そしてデザートがよくついてきた。

事件

天気が悪い日、停電が起こってしばらく電気が使えず、暗闇の中で昼食をとったことがあった。


9.まとめ

ブルガリア語を学ぶだけでなく、たくさんの人と交流できることがこのセミナーの良いところである。日本ではあまりなじみのない国であるかもしれないが、文化もおもしろく気候も北海道に似て大変過ごしやすいところであるのでかなりお勧めできる。


9 地域概説

ヴェリコタルノヴォ市はヤントラ川によって削られ、大きく曲がった渓谷に位置し、ローマ時代の要塞からおこった街である。1187年にはビザンツ帝国から独立した第2次ブルガリア帝国の首都として発展した。その第二次ブルガリア帝国も封建制の過度な進行により分裂しており、皇帝の権威は及ばなくなった。かくして14世紀末にブルガリアに存在した勢力はオスマン帝国に平定されることとなった。露土戦争によってオスマン帝国の支配から脱することになったブルガリアは、1879年に当時の欧州において進歩的である新自由主義的な憲法が制定され、ブルガリア公国の成立を果たした、このようないわゆるタルノヴォ憲法の制定などで歴史に名前を残すこともあったが、現在は昔の街並みを残すのどかな街となっている。


参考文献

ロバートブラウニング『ビザンツ帝国とブルガリア』東海大学出版会、1995年。

佐原徹哉『バルカン史 上』山川出版社、2024年。

森安達也・今井淳子『ブルガリア 風土と歴史』恒文社、1981年。