ワシントン大学/エディンバラ大学 留学体験記 経済学部4年 中田湧斗

アメリカ・オセアニア, ヨーロッパ

ワシントン大学

1.留学先・期間

2024年9月から12月まで、アメリカ・シアトルのワシントン大学に交換留学した。


2.志望動機

中学生のときにニュージーランドに3ヶ月間留学した経験から、漠然と長期の留学に憧れを持っていた。大学生になり、他の留学形態と比べて費用を抑えられる交換留学に魅力を感じ、留学を決意した。 アメリカやワシントン大学を選んだ理由は、主に三つある。一つ目は、ずっと学んできた英語をもっと使えるようになりたかったからである。中途半端で止まってしまっている語学力を伸ばし、より自信を持って英語を使えるようになることで将来の可能性を広げたかった。二点目は、この留学後にはイギリスに交換留学予定であることを考え、自分の中でアメリカはバランスが良いと思ったからである。三つ目は、ワシントン大学にはいい人がたくさんいると感じたからである。世界の大学ランキングで上位のワシントン大学には、自然と素晴らしい学生が集まっているだろうと考え、先生にも勧めていただいたことから大学を決定した。


3.費用

【渡航準備】

・往復渡航費 17万円

・留学保険 8万円(現地の大学に指定されたものと、JTASに加入)

・VISA発行 6万円(ビザ発行以外の手数料等含む)

・IELTS受験料 2.75万円

【現地】

・家賃 月10.5万円

・食費 学期18万円(ミールプラン)

・交際費 月4万円(ミールプラン以外の食事、娯楽など)


4.準備スケジュール

2 年夏 本格的に留学に向けて動き出す、先生や先輩に留学の相談をする

2年2月 IELTS受験(ようやくイギリスに必要なスコアを取得)

3年5月 留学奨学金②申請

3 年6月 交換留学追加募集申請(イギリス)、留学奨学金①落選、留学奨学金②合格

3年7月 アメリカビザ取得

3年9月中旬 アメリカへ渡航、留学終盤にはイギリスの手続きも並行して進める

3年12月中旬 アメリカから帰国

3年1月初旬 イギリスへ渡航

4年5月末 イギリスから帰国


5.渡航前の手続きについて

・J-1ビザ

札幌にあるアメリカ領事館にてビザの面接を行なった。実際には面接というほど厳格なものではなく、受付の方と軽いやり取りをして終わった。パソコンを持って行ってしまい、敷地内には持ち込めないと断られたため、近所の有料ロッカーに入れる羽目になった。

・SIMカード

物理SIMは入れ替えるのが面倒だと感じたので、e-SIMを選んだ。安いという理由でミントモバイルに決めた。現地で出会う日本人学生もミントモバイルを使っている子は多かった。

・現金

現地ではほとんどクレジットカードを使用できる。しかし、私は友達とお金のやり取りをする際に現金を使っていたため、約8万円分持って行った現金はほぼ全て使った。現地で銀行口座を開設すれば、みんなが送金手段として使っているzelleやvenmo(アメリカ版Paypayみたいなもの)を使えるが、私は3ヶ月しか滞在しないとわかっていたため、面倒で開設しなかった。


6.1週間の時間割(授業と課外活動)

【月曜日】

・10:30-12:20 Negotiations

・19:00-22:00 バドミントン

【火曜日】

・10:30-12:20 Strategic Business Communication

・14:00-16:20 Natural Resource Economics

・17:30-19:30 Unite UW(国際交流)

【水曜日】

・10:30-12:20 Negotiations

【木曜日】

・10:30-12:20 Strategic Business Communication

・14:00-16:20 Natural Resource Economics

・19:00-22:00 バドミントン

【金曜日】

・11:30-12:20 Japanese(日本語TA)

【土曜日】

・Unite UW(国際交流)

【日曜日】

・16:00-18:00 バドミントン


7.授業

・Negotiations

日常からビジネスまで、さまざまなシチュエーションにおける交渉の戦略や理論を学んだ。授業では毎回、ペアワークやグループワークの形で実践練習が行われ、演じる人物の設定が書かれた紙をもとに交渉を行った。まずは設定を理解すること、そして交渉のやり取りを英語で進めることの両方に苦労し、特に英語力不足を痛感した。また、自分がスムーズに進められないことでペアやグループに迷惑をかけてしまう申し訳なさも常に感じていた。

課題やテストに関しては、当日にテストの存在を知るというトラブルもあったが、なんとか単位は取得した。あるテストでは、授業外で実際にお店で値下げ交渉を行い、そのやり取りを記録して学んだ理論に沿って分析する課題があった。店員さんに事前に事情を説明して臨んだが、相手にはうまく伝わらず、値下げに応じるフリすらしてもらえなかったのは大変だった。一方で、授業で配られた小さなクリップを持ち帰り、それを物々交換で最終的にクラス内で「一番大きいもの」または「一番面白いもの」に変えてくるという課題もあり面白かった。

・Natural Resource Economics

再生不可能な資源、気候変動、漁業や林業における再生可能な資源、環境の評価など環境経済学に関連する基本的なトピックを扱い、分析した。紙一枚のみ持ち込み可能なテストであったため、限りなく多くの情報を詰め込んだ上でプリントしたら、非常に字が小さくなったため逆効果になりかけた。講義のほとんどは、講師の話を聞くことがメインだったため、モチベーションを維持するのは大変だった。しかし、今回の留学目的の一つである環境経済学を学べる授業だったため内容自体は面白かった。

・Business Strategic Communication

レジュメの書き方や、効果的なプレゼンテーションの方法、自己アピールの仕方など、ビジネス上で必要なスキルを学んだ。毎週のようにリーディングが課され、提出物も多かったため、この授業の課題が一番重かった。また、授業内での発言も非常に重要視されていたため、常に緊張感があり精神的に苦労した。授業の特性上、レポートでの英語の細かい文法や言い回しなどにも気を配る必要があった。

・Japan301

TAとして参加した。同じゼミの友人が留学先で日本語授業のTAをやっていると聞き、友達作りに最適だと思ったので始めた。私が探した限りではTAを募集している授業はなかったので、いくつかの日本語授業を勝手に受け、引き続き参加したいと思った授業の担当教授に直接交渉し、その機会をいただいた。非公式のTAだったため、最終的に単位のような形としてもらえるものはなかったが、今後北大に交換留学したいという子と友達になることができた。

【AIの活用に関して】

AIは、自然な英語の言い回しや、Googleなどの検索エンジンではヒットしづらい(うまく言語化できない)ものを調べるのによく利用していた。レポートを書く際にも、文法や語彙を聞くことがあった。しかし、便利すぎるあまり、頼りすぎてしまうと成長に繋がらなくなってしまうという危機感と罪悪感を常に持っていたため、適度に距離を置こうと思っていた。


8.課外活動・友人

・Unite UW(国際交流プログラム)

これは、現地の学生と留学生をつなぐことを目的に、学期を通して数多くのイベントを実施するプログラムである。参加者は約90人で、火・水・木の曜日ごとに3つのチームに分けられ、さらにその中で5人ほどの小グループにランダムに割り当てられる。毎週、自分の曜日の活動に加えて週末にもイベントがあり、基本的には決められたグループで行動するため、自然と交流が深まった。

ワシントン大学はアジア系の学生が多く、このプログラムにも日本人を含むアジア出身者が多く参加していた。私のグループは、日本人3人(私を含む)、インド人、台湾人、フィリピン人という構成だった。イベントは、とうもろこし畑の迷路や焼肉食べ放題、ハロウィンの仮装など多彩で、特に二泊三日の合宿企画が印象に残っている。この合宿では、レクリエーションだけでなく、「人生の転機」や「今の自分を形作っているもの」などについて一人ずつ語り合う時間があり、悲しさや悔しさなど様々な感情で涙を流す人も少なくないハートフルな企画だった。出会って間もない時期だったこともあり、この経験をきっかけに心の距離が一気に縮まったと感じる。

また、公式イベント以外にも、このグループから派生して遊びに行ったり、空き時間に図書館で一緒に勉強したりと、毎日のように顔を合わせる関係が続いた。

・バドミントンクラブ

・バドミントンクラブ 高校から続けてきたバドミントンを留学先でも楽しみたいと思い、週2・3回の頻度で参加していた。クラブ活動では、前述のUnite UWプログラムで知り合った友人と再会することもあれば、このクラブを通して新たな友人を作ることもできた。授業の課題に行き詰まったときには、体育館の端に座って友人たちに課題を見せ、文法や表現についてアドバイスをもらうこともあり非常に助かった。

・日本語授業で出会ったアメリカ人の友人(北大に交換留学予定)

定期的に遊んでいた大切な友人。サンクスギビングの休暇には、親戚も集まる実家に招待してもらい、伝統的な料理であるターキーやグレービーソースをかけたマッシュポテト、デザートまで豪華な晩ご飯を振る舞っていただいた。実家近くを散歩したり、家族で恒例のカードゲームを一緒に楽しんだりと、アメリカの文化と家庭の温かさを間近に感じられた、充実した休暇となった。


9.住居・食事・事件

・住居、ルームメイト

ワシントン大学内で最も安い寮に住んでいたが、円安も相まって月10万円以上と高額だった。4人部屋で二段ベッドが2つ、トイレとシャワー付き。ルームメイトは中国人(数学専攻)、アメリカ人(数学専攻)、メキシコ系アメリカ人(美術専攻)で、普段はあまり干渉し合わないタイプだったが、いつでも話しかければ優しく接してくれた。特にメキシコ系アメリカ人(美術専攻)とは気が合い、その日の出来事を話したり、今やっている作業を見せあったり、英語や大学のことでわからないことを質問したりと比較的よく話した。お互い夜中に作業をすることも多かったので、深夜に話すことも多々あった。しかし、どのルームメイトとも遊んだことは無く、少し寂しかった。ただ、部屋にプライベートの空間が一切ないことや、二段ベッドが古いため振動が伝わりやすく気を使うなど、常に気を張っていたためか、体調を崩すことが多かったのも事実。

・食事

寮生は全員ミールプランに加入する必要があり、主にカフェテリアで食事をしていた。中国系料理、ファストフード(ハンバーガー)、サンドイッチ系、ピザなど、複数の店が集まったカフェテリアで、ドリンクはジュースなども飲み放題だった。一食約10-15ドル(1600-2400円)、味はまずまずで、問題は特に無かったが、留学折り返しあたりからは単調な味に飽きていた。学生証にミールプラン用としてチャージされたお金は、学内のスタバや売店でも使用可能だったので、そこでご飯を買い、飽きを感じないように工夫もした。食堂以外は、友人と外食に行くこともあった。私の寮にはキッチンが無く、調理が一切できないと思っていたが、留学最終日にキッチンがあることをルームメイトに教えてもらった(視認していないため真偽は不明)。

・事件

留学初期、Japan Societyのイベント後に乗った学内のエレベーターが重量オーバーで停止するという出来事があった。ぎゅうぎゅうのエレベーターの中で何が起きたのかわからなくなり、初めは皆パニックになっていたが、日本人が多かったことや人数が多かったことが逆に安心材料となり、すぐに平然を保てた。数十分身動きを取れなかったので、最終的に911を呼ぶことになり、留学初期段階からいきなりの試練だった。これをきっかけに少し仲良くなり、この後ご飯も一緒に食べた。のちに”elevator”という名のグループができ、当時の写真を共有した。


9.まとめ

3 ヶ月という短い期間ではあったが、毎日のように人との交流や勉学に奔走する日々は非常に満足度が高かった。自分の予想以上の貪欲さは、留学を通して知ることができた。留学初期の頃は、全てが未知の環境で、嫌なことを考えれば考えるほど恐怖を感じ、あまり良い精神状態とは言えない時もあったと思う。そんな人間でも、最終的には充実したと思える留学を実現できたので、留学を不安に思う方はあまり気負わないでほしい。手続きの面倒さ、生活への不安、語学の負い目、留学をやめたくなる理由は探せばいくらでもあるけれど、それでもそこでしか出会えない人や景色、自分の中に生まれる変化は、何物にも代えがたい留学の価値だと思う。



エディンバラ大学


1. 留学先・期間

2025年1月から5月まで、イギリス(スコットランド)・エディンバラのエディンバラ大学に交換留学した。


2.志望動機

エディンバラ大学を選んだ理由は、主に二つある。一つ目は、エディンバラの美しい街並みに憧れ、何かしらの形で訪れたいと思っていた。そこで、留学先として大学を調べたとき、世界ランキングでトップクラスの大学であることを知り、学業面においても充実しているだろうと感じた。二つ目は、留学目的の一つである環境経済学を学ぶためである。座学や日常生活を通して、イギリスでの取り組みを学ぶことができると考えた。


3.費用

【渡航準備】

・往復渡航費 28.5万円

・留学保険 5万円(北大指定のもの)

・電子渡航認証(ETA) 3千円

・IELTS受験料 2.75万円

【現地】

・家賃 月14万円

・食費 月4万円

・交際費 月3万円


4.準備スケジュール

2年夏 本格的に留学に向けて動き出す、先生や先輩に留学の相談をする

2年10月 IELTS受験

2年11月 IELTS受験、交換留学申請(アメリカ)

2年1月 留学奨学金①申請

2年2月 IELTS受験(ようやくイギリスに必要なスコアを取得)

3年5月 留学奨学金②申請

3年6月 交換留学追加募集申請(イギリス)、留学奨学金①落選、留学奨学金②合格3年7月 アメリカビザ取得

3年9月中旬 アメリカへ渡航、留学終盤にはイギリスの手続きも並行して進める

3年12月中旬 アメリカから帰国

3年1月初旬 イギリスへ渡航 4年5月末 イギリスから帰国


5.渡航前の手続きについて

・ETA

イギリス入国の際に必要となる事前渡航認証制度のこと。半年以内の留学ではビザ取得の必要はなかったが、2025年からETAの取得が義務化された。申請はオンラインで完結する。

・SIMカード

アメリカでe-SIMが非常に便利だと感じたので、今回もe-SIMを選んだ。ヨーロッパの旅行の際にも使えるよう、他の国にも対応しているものを選んだ。

・現金

現地ではほとんどクレジットカードを使用した。アメリカにいた時には、友達とお金のやり取りをするために多くの現金を使ったため、今回も現金を多めに持って行ったが、アメリカほど使うタイミングはなかった。



6.1週間の時間割(授業と課外活動)

・授業

講義形式の授業は一コマ2時間を週3回。週によって、演習の授業があるときもあった。授業自体はあまり多くなく、毎週課されるような課題もなかったため、勉強の忙しさは自主学習に左右される部分が大きかった。授業を一度聞いただけで理解することは留学最後までできなかったので、毎週全ての授業の録画を観て、ノートを取りながら勉強した。テスト前や課題提出前は、徹夜をすることもあった。

・課外活動

大学のバドミントンクラブに所属した。ペースは週に3回ほどで、日中の空いている時間や、放課後に参加していた。

7.授業

・Introductory Environmental Economics

政府介入のない市場の失敗について議論・分析し、これを是正するために利用可能な規制措置や政策手段について学んだ。エディンバラ大学の授業は、基本的に全て録画されており、後からいつでも視聴可能だった。字幕を出すこともでき、わからなかった部分を繰り返し観ることができるため非常に便利だった。

・Business Ethics

企業の社会的役割、CSR、サーキュラーエコノミー、経済哲学など、企業倫理についてあらゆる角度から学習した。チュートリアルでは、他の学生と議論をする機会があったが、議論の輪に全く入れず、非常に悔しい思いをした。アメリカから数えると留学の半分を終えていたあたりの頃だったので、自分の英語力の成長の遅さに嫌気が差した。

・Digital Economy and Policy

企業戦略の分析、アルゴリズム、デジタル比較ツール、個人消費行動など、デジタル経済に関するトピックを学んだ。受講者が20人ほどと少なく、先生も優しい方だったため自分から発言する良い練習機会となった。

・Japanese Language Lower Intermediate

アメリカで日本語授業のTAをやったことで友人作りに役立ったため、今回もTA募集を探した。日本人留学生には、TAの案内がメールで来るようになっているらしいが、私は2学期からの留学だったためか案内が来ず、ゼミ同期で同じエディンバラ大学に留学していた友人に転送してもらった。受講者のほとんどが日本に留学予定の学生であった。現地で日本の学園祭を模したお祭りを開催する準備のための授業で、そのお手伝いとして、北大の学園祭の様子や日本の文化を紹介した。

【AIの活用に関して】

ワシントン大学のときと同様、AIとの距離感には気をつけていたが、使い過ぎてしまうこともあった。レポートを書く機会が多かったため、そのときに適切な表現や書き方を調べるために使った。また、英語のための使用以外にも、経済学やそのほか授業で習ったものの理解のために使うことも多かった。

他の学生は、日本と同じような感覚で、授業や課題のためにAIを利用している人は多かったと感じる。


8.課外活動・友人

・フラットメイト

同じフラットに住む交換留学生2人(イタリア人、アメリカ人)と、同じ建物の別のフラットの交換留学生たち(アメリカ人、オーストラリア人など)と定期的に遊んでいた。毎週火曜日には、大学近くのパブでパブクイズがあるため、みんなでそれに参加して上位入賞を目指すというルーティーンがあった。パブクイズとは、パブやバーで行われるクイズ大会のことで、複数人でチームを組んで参加し、一般常識や特定のテーマに関するクイズに答えるもの。クイズの内容は結構難しく、英語力や英語圏の文化背景が無いと答えられないようなものが多かった。50問に1問くらいの頻度でアジアや日本に関する問題が出たため、その一問にだけ貢献していた。

それ以外にも、公園でピクニックをしたり、みんなで料理を作って食べたり、カラオケに行ったりなど楽しんだ。中でも、イタリア人に教えてもらいながら作ったラザニアは非常に美味しかったのをよく覚えている。食べたときに何か感想を言いたかったがなんて言っていいかわからず、「人生で初めてラザニアを食べた」と適当なことを言ってしまい、記念にラザニアとのツーショットを撮ってもらった謎の思い出でもある。

・バドミントンクラブ

エディンバラ大学や街中には、アメリカと比べるとアジア人が少なかったが、バドミントンクラブには中国人がたくさんいた。普段の楽しむためのバドミントン以外に、競技用のチームにも参加した。入るためにトライアルを受ける必要があり、6チーム中5番目のチームに参加させてもらうことができたが、2学期目は公式試合が一度も無く、入るために高い金額を払わされた分、損をした気分になった。バドミントンクラブ自体は、そこで友人を作ることができたので入ってよかった。特に、中国人3人とイタリア・スペインのハーフの子と仲良くしていた。バドミントン終わりにご飯を食べたり、一緒に勉強をしたり、後に日本旅行に来たときに一緒に観光をするなど、楽しい思い出もたくさん作った。

・イベントで出会った友人たち

ESN(Erasmus Student Network)という、ヨーロッパを中心に活動する非営利の学生団体の企画でハリーポッターのホグワーツ特急が走るシーンの撮影に使われたグレフィナン高架橋に行った。1人で参加していたのだが、その場で友人(バングラデシュ系、フランス在住)を作ることができ、その1日一緒に回っただけでなく、その後もご飯を食べたり、レースサーキットに行くなど関係が続いた。また、エディンバラ市内を歩いてまわる写真部のツアーにも飛び入りで参加し、そこで偶然出会った人とも関係が続く友達になることができた。イベントの興味の有無に関わらず友人を作ることができ、どこにどんな出会いがあるのか分からないのだと体感した。


9.住居・食事・事件

・住居、フラットメイト

私は10人で暮らすフラットに住み、プライベートの部屋にはベッドと机があり、3つのトイレとシャワー、1つのキッチンを共有していた。フラットには私以外にイタリア人とアメリカ人の交換留学生、そして現地学生が暮らしていた。生活面ではいくつかのストレスもあった。まず、調理器具やトイレットペーパーまで全員が自分用を揃える必要があり、入寮直後に半年しか使わないものを一式購入しなければならなかったことは負担だった。次に、私の授業があるメインキャンパスまで徒歩で40分かかり、シャトルバスも時期や時間によっては運行していなかったため通学が大変だった。さらに、これだけ高い家賃を払っているにもかかわらず、洗濯機が有料であることも小さなストレスだった。

悪いことばかりを書いてしまったが、一方で良い点もあった。すぐ近くの丘から眺める夕陽はとても美しく、気分転換の場所となった。また、プライベートの部屋があったため、アメリカ留学時の寮生活と比べて一人の時間を確保できたのは大きな安心だった。フラットメイトともキッチンで会話したり、一緒にランニングに出かけたりと、日常の交流から新しいつながりを得られたことはとても良い経験になった。

・食事

アメリカでは食事付きだったが、ここでは自炊の寮を選んだ。基本的には、家から徒歩15分の場所にある大型スーパーで食材を買い、日本食を作ることもあれば、パスタやインスタント麺など簡単に済ませることもあった。日本の百均で買った、レンチンで米を炊けるものを持って行ったが、一回で炊ける量が少ないため鍋で炊いていた。時々、他のフラットメイトも米を食べていたが、炊くというより茹でているのを見て、美味しいのか気になった。私がイギリスにいる間に、日本では米の価格が非常に上がっていたが、私は1キロ100円という破格の白米を食べていた(意外と美味しく、気に入っていた)。その他にも、冷凍フライドポテトやクッキーをよく食べるようになり、クッキーに関しては毎日のように食べていた。イギリスの紅茶文化のおかげなのか、スーパーで買うどのクッキーを食べても非常に美味しく、お気に入りのものを見つけるのにハマっていた。自炊以外には、友人と外食に行ったり、Too good to goというお店で余った食品をお得な価格で消費者に提供するアプリを使ったりすることもあった。


10.まとめ(2カ国留学をして)

留学初期の頃は、楽しかったアメリカでの留学生活から全てをリセットし、新たにゼロからスタートを切らなければならなかったことが大変だった。その中で、アメリカで培った交友関係の構築方法を活かし、積極的にイベントに参加するなどして交流機会を増やすことを意識していた。

2カ国留学して感じた利点としては、まず一つ目に世界中に友人を作ることができたことである。どちらも国際色豊かな大学に留学していたこともあり、さまざまなバックグラウンドを持つ人と異文化交流を楽しむことができた。二点目は、一つ一つの経験をアメリカとイギリスで比較しながら感じることができたことである。言語においても、アメリカ英語とイギリス英語を体感できたことは面白かった。三つ目は、最初の国での反省やできなかったことを次に活かせる点だ。私は、アメリカにいた時はあまり旅行に時間を割けず、アメリカ国内や周辺の多くを見てまわることはできなかったので、イギリスではヨーロッパの国々に訪れることができたのは良かった。現地の友人とイタリア旅行に行ったことは、大変でもあったがとても大切な思い出となっている。

不便だったことは、はじめに書いたように、短期間で全く新しい環境を二度も経験しなければならないことや、全てを比較してしまうことがかえって自分の中での優劣に繋がってしまうことなどである。

総じて、どちらも満足のいく留学にすることができた。語学の面では、留学前に期待していたレベルには到達できず心残りもあるため、今後の英語学習へのきっかけとしたい。最後に、2カ国に交換留学するという自分の中では選択肢になかったものを先生に提示していただき、結果それぞれの国で全く異なる経験をすることができた。1カ国をやり遂げる留学ももちろん魅力的だが、私のように優柔不断な人間や、欲張ってみたい人はぜひ複数の国に留学することを考えてみてもいいと思う。