オレゴン大学 交換留学 経済学部経営学科3年 近松真帆
1.留学先
アメリカ・オレゴン大学・経営系
2.期間
2024年1月~3月(1セメスター)
3.志望理由
・スポーツビジネスの有名校でビジネスを勉強し、かつ女子サッカーの本場アメリカでサッカーを経験するため。
・台湾とアメリカの2か国で生活することで違いを理解し、将来に活かすため。
4.費用
・留学準備
飛行機:往復30万ちょい
ビザ:6万くらい
海外保険:オレゴン大学指定のものに加入、15万くらい。加えて北大のJTASと言われる保険にも加入
健康診断:6万くらい(渡航に必要なワクチンが多い)
・留学中
寮費(食事込み):月20万(学期前に払う)
5.準備スケジュール
1年1学期:留学に挑戦したいと思い、新渡戸カレッジに入校
2年夏:国立台湾大学に行きたかったのでTOIECのスコアを取る
2年11月:ゼミが決まる。先生に勧められて2段階留学を決意。2か国目をアメリカに決め、急いでTOEFL-ibtを受験、なんとかスコアを獲得。台湾とアメリカの申請を同時に行う。
2年1月:北大から留学許可が下りる
3年4月:パスポート申請
3年5月:予防接種(台湾用、アメリカ用を同時に)、健康診断
3年7月:台湾のビザ取得、台湾大学関連の手続き
3年8月末:留学スタート
3年11月:アメリカの手続き大詰め
3年12月:アメリカビザ取得
3年12月末:帰国
3年12月末:アメリカへ留学
6.オレゴンでの生活
①授業
・Cross cultural business communication(3単位)
異文化ビジネスコミュニケーションを様々なゲストスピーカーの話や教授の話を聞き、理解するだけでなく、実践的に実験を行うことで学びが深まる授業だった。日本のビジネスコミュニケーションについて生の声を伝える人材として教授に日本人アンバサダーに任命され、毎授業みんなの前で当てられ、日本の実情について話さなければならなかった。最初は非常に緊張してなかなか話せなかったが、だんだん慣れていき、アメリカ人に日本のことを知ってもらえる機会となり、楽しむことができた。中間、期末試験、最終グループプレゼン、毎授業なにかしらレポート提出をした。
・Sports business brand (3単位)
スポーツビジネスの有名大学であったため受講した。NIKEを含めた、様々なスポーツブランドのマーケティング戦略や、スポーツを利用して顧客獲得に成功したアメリカの企業の分析など大学院生もいるような難しい内容の授業だった。1回の試験、2回のレポート、グループプレゼンで評価された。
・Marketing for value of customer(3単位)
一般的なマーケティングの授業を取った。アメリカの企業を例にマーケティング戦略を学習したためアメリカらしい授業で非常に興味深かった。4回のテストと個人プレゼン、マーケティングシュミレーション課題と毎日の小テストで評価された。
・Indoor soccer(1単位)
単位が余っていたのでサッカーの授業を取った。アメリカ人は少なく、留学生がほとんどを占めていたのが意外だった。いろんな国籍の人と楽しくサッカーができてよかった。
②寮生活
食事込みの大学寮に入り、2人部屋でルームメイトは韓国系アメリカ人だった。一番値段の安い寮を選択したが食事込みで20万と円安の影響もあり高額だった。On campusで食べるのはアメリカ人にとっても値段が高く喜ばれないので、食事を誘って仲良くなるという台湾で使っていた手段が使えず、友達作りに苦戦した。
③友達
台湾ではクラスのほとんどが交換留学生でみんな友達を作りたい状態だったため友達作りに苦戦することはなかった(現地学生は中国語での授業を選択するため英語での授業は必然的に留学生ばかり)。しかし今回はクラスのほとんどが現地学生で300番台以上となるとjuniorまたはseniorの学生のため、すでに友達がいる状態でかつ冬セメスターからの入学という1年間の途中からだったため友達作りの環境は極めて厳しかった。そこで私は中国語が話せることを活かして台湾や中国系の子たちと友達になったり、日本語授業のボランティアTAになったり日本語サークルに顔を出して日本に興味のある子と仲良くなったりして友達になった。日本語サークルで出会った友達は毎日のように会う仲になり、一緒にジムに行ったりドライブに連れて行ってもらったり、ハイキングをしたり、日本料理を一緒に作ってパーティを開いたりした。自分の知っていることをオープンにして人の興味を誘うことといろんな活動に率先して顔をだして積極的に話しかけることが友達作りの秘訣だと感じた。また、すでにみんな友達がいる状態だと自分から誘うことも非常に重要になってくる。特にアメリカはLow-context cultureなので嫌なら断ってくれるため、日本みたいに気を使って人の邪魔になるかな?とか考えずにガンガン積極的に行動していくことが大事だった。私と同じ時期に来た交換留学生(15人しかいない)で友達作りに苦戦し、ずっと留学生同士でいる人が本当に多かった。後に話すが、ユージーンは車なしでは楽しめる場所が少なすぎるので現地の学生(結構車持ち)と仲良くなる方が満喫できる。
④女子サッカー部
ずっと女子サッカー王国アメリカでサッカーをしてみたいと思っていたので目標実現のために奮闘した。アメリカの大学管轄のスポーツ部活に所属するためにはトライアウトを必要とし、大学名を背負って競争的な環境で戦うため非常にレベルが高い。女子サッカーはアメリカで女子に一番人気のスポーツであるため競争率が高いスポーツの一つだ。秋学期に行われるトライアウトでは100人以上が参加し、1週間にわたって行われるという。私は冬学期入学だったので当然秋学期実施のトライアウトには参加できなかった。しかし何度もメールやインスタで自分の事情を説明しトライアウトを特別実施してもらいたいとお願いし、2月に入ってやっと特別にトライアウトを兼ねて練習参加させてもらった。無事に合格し、試合にも出してもらえて、アメリカサッカーのレベルの高さとフィジカルの強さやスピード感を実感し、よい経験となった。週3日朝6時半から8時という大学生活で今までにない早起きだったが上手な仲間とサッカーができていいリフレッシュとなって楽しかった。
⑤ユージーンについて
オレゴン大学のあるユージーンは田舎の中の少し都会みたいな町である。自然が豊かなのが特長で車がないと生活しづらくどこにも行けない。EMXと呼ばれる無料のバスがあるのでそれを使えば市内移動ができるが、ホームレスが多く、においがとんでもなかった。ポートランドと呼ばれるオレゴン州最大の都市から来ている学生が多く、1年目は絶対に寮生活と決められており、そのあとはアパートに引っ越す人が多かった。ユージーンはポートランドに比べて町が小さく、電車もないので、車持ちの友達を持つことがキーとなる。車があればオレゴンの大自然を楽しめる。
⑥フレンドシップパートナーとの出会い
オレゴン大学が斡旋してくれるフレンドシップパートナー制度が非常に良かった。私のパートナーはアメリカ人と台湾人の老夫婦だったので自分が台湾に留学していたことから非常に話が合い、毎週のように会ってご飯やカフェに連れて行ってもらった。旦那さんは海外経験豊富な起業家だったので聞いていて興味深かった。
7.まとめ
台湾留学に比べると交友関係や活動頻度は狭かったが、現地の人と仲良くなったり、サッカー部に所属したりすることで新しい経験が得られたのはよかった。オレゴン大学は白人が非常に多く、外国人に対する興味関心が台湾大学の学生に比べて薄いと感じた。また、台湾では授業のほとんどが同じ学期から来た交換留学生でみんなが友達作りに積極的だったが、私はオレゴン大学に冬セメスターから留学し、留学生がほぼおらず3年生以上の現地学生ばかりが参加する授業を取っていたので授業で親しい友達を作ることはできなかった。したがってオレゴン大学は、友達作りが留学生にとって難しく、現地の学生との友達作りに苦戦している留学生をたくさん見かけた。今後アメリア留学をする人に向けていうが、アメリカ人はメリットで友達付き合いをする人が多いので、共通の話題があることが重要である。私は「日本語と中国語とサッカー」という特徴があるので日本語サークルに顔を出したり、日本語の授業ボランティアに参加したりすることで日本に興味のある人に出会うことができた。またサッカー部に入ることで多様な現地人に出会う機会も得られたため、留学先で現地の学生と交わるためにも部活に入ることをお勧めする。
日本とは文化の違いが多く、生きているだけでいろんな新しい発見ができる。そういった文化の違いや政治の話、デモの話などをアメリカ人の親友と熱く語りながらジムで筋トレするのが日課で楽しかった。特に、大陸の大きいアメリカでは交通の便の大切さを実感した。どこへ行くにも飛行機が必要なため、「現地でできた友達とたくさん旅行する!」とかは叶えるのが難しいと感じた。
私はアメリカの大学の寮に入らないことをお勧めする。理由は2点ある。1つ目は基本的にご飯も込みのプランになっており、特定のカフェテリアでしか食事ができないため、それ以外の外食がしづらく、食生活に飽きてしまうし友だちを誘ってご飯などもいきにくいからだ。北大のミールプランを想像するといいだろう。2つ目は、キャンパス外の方が安く住めるからだ。
この体験記を読んで台湾留学より充実していないと思われたかもしれないが、オレゴン留学は自分の知らない世界を見ることができた良い経験だった。台湾留学だけでは漠然と「台湾が好き」なだけで、台湾のどこが自分に合っていたのかが分からなかったけれど、オレゴンに行くことで他の外国という視点が加わり、そこが明確になった。2か国行くことで自分の中で比較がしやすくなり、自分の好きな環境や優先順位、日本の良さなど自分のいる立ち位置を理解できるようになった。海外の学生と進路の話や夢の話をするのは非常に面白く、価値観や育ってきた環境の差が出るところだと感じた。
改めて留学は私に多くのことを気づかせ、もたらしてくれたかけがえのない時間となった。
私の留学を支えてくれた高井先生はじめ、教務のみなさま、国際交流課の方々、そして家族に感謝します。ありがとうございました。